【蔵のまち観光交流センター】来月から観光情報発信

2009-05-24 07:00 am by 須坂新聞

観光 icon 須坂市は先ごろ、明治中期に建築された旧角一製糸場の繭蔵(東横町)を耐震補強等工事で改修した=写真。6月1日には「蔵のまち観光交流センター」として開所する。管理運営は指定管理者の市観光協会。木造3階建てを2階建てとし、1階は市内の観光情報を提供し、地場産品を紹介・販売する観光交流処。2階は多目的ホール。120年前から続く匠(たくみ)の業の小屋組みが間近に見られる。協会職員4人が交代で常駐する。
 蔵の町並みの導入部に位置し、蔵の町並みの重要な構成要素となるため、市は蔵の町観光の情報発信拠点としての役割を期待する。
 今回改修された繭蔵と奥に木造2階建ての母屋が併設された町家(旧牧邸)が原形で、建物は平成12年に市へ寄贈された。
 繭蔵は切り妻、瓦ぶき、大壁、平入り、しっくい塗り、腰板張りが特徴。2階戸袋2カ所に家紋の丸二をしっくいデザインで復元した。屋根の棟の端には屋号の角一の鬼瓦が、また、門の風切り軒瓦と下屋の風切り瓦には並んで家紋と屋号が見られる。
 耐震診断の結果、倒壊する可能性が高いため、繭蔵は土壁などを撤去し、重量を軽くして壁体面(耐力壁)により耐震性を確保した。15cm角の柱と柱の間に厚さ12mmの構造用合板を内側、外側に張り、モルタル下地しっくい塗りとした。内部はしっくい塗りと腰板張りで仕上げた。
 耐震改修後、評点は1.0を上回り、基準をクリアした。市は改修後も製糸業時代の近代産業遺産としての価値はとどめる(まちづくり課)とする。
 一方、母屋は図面と写真で残した後、取り壊し、本年度小公園になる予定。
 開所する施設は、延べ床面積約270平方メートル。1階約140平方メートル。道路側約45平方メートルは物産紹介・販売スペースで地場産品を置く。奥の約50平方メートルは休憩・交流スペースで机・いす席と、当時の町家の雰囲気を伝える和室など。和室の床の間や敷居、建具などには古材をふんだんに使った。ほかに男女・多目的トイレ、湯沸かし室。
 2階は約130平方メートル。音響設備やいす60席を備える。市民と観光客の交流を深める観光振興のための多目的ホール(有料)。
 建築主体工事は新南商会。請負金額4,158万円。機械設備はマツナガ建設、945万円。電気設備はオメノ、703万円余。設計監理は塩崎貞夫建築設計事務所、314万円余。
 6月1日は午前9時半から関係者を招いて市主催のしゅん工・開所式。10時15分から観光協会主催の記念コンサート。マドリガルシンガーズと笠井美智子さんが歌とバイオリンを披露する。

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