【不況が直撃】須坂の花火、今年は中止

2009-04-11 07:00 am by 須坂新聞

観光 icon 須坂の夏の風物詩「蔵の町須坂花火の夕べ」を主催する実行委員会(委員長=牧勇男須坂商工会議所会頭)はこのほど、同会議所で全体会議を開き、23回目となる今年の花火を中止することに決めた。花火の夕べは約1,000万円の予算の80%以上を企業や団体からの寄付金で運営しており、地域経済を直撃する不況の影響から、今年は昨年までのような寄付金確保が見込めないことから「断腸の思い」(牧委員長)で開催を断念した。実行委員会では「来年は復活させたい。さまざまなアイデアを考え、新しい運営の形を模索したい」としている。

 このイベントは平成13年まで須坂商工会議所主催の納涼花火大会として開催。14年から市民参加型で進めようと実行委員会主催の蔵の町須坂花火の夕べとなり、実行委員会には市、区長会、観光協会、JA須高、商店会連合会、須坂工業振興会、須坂青年会議所などが加わったが、実態は商工会議所主導で運営してきた。
 ちなみに、昨年の決算書では1,017万円の収入のうち、企業・団体からの寄付金が839万円、市の負担金が100万円、駐車協力金が31万円などとなっており、総額の82%が寄付金。その多くが工業系企業からのものだった。
 実行委員会は1月に開催。出席者から「厳しい経済状況下、寄付に依存しているこのイベントを開催するかしないか、まず意見を出し合ってみては」との提案があり、出席者からは▽寄付を今までのように集めることは困難。集まっても少額▽やりたい気持ちはあるが、現実の問題として寄付するお金があれば雇用対策などに充てたい▽市民の楽しみをなくしてはさらに地域の元気がなくなる▽一度やめたら復活するにはかなりの労力がいる。規模が小さくなっても続けることが肝心―など賛否両論の意見が出された。
 そして、3月下旬の実行委員会。再び意見を交わしたが、経済状況はさらに厳しく、大勢は「中止やむなし」の意見。その中で▽今の運営体制では限界があり、来年以降も厳しい。新しい方向を探るべき▽市民の皆さんに現状を知ってもらい、金銭面の協力をお願いしては―などの提案があり、会合を継続して行うことを申し合わせた。最後にあいさつした牧委員長は「やめたくはないが、現状では如何ともしがたいことを理解してほしい。来年は何が何でもやりたい。市民の皆さんの盛り上がりにも期待したい」と強い決意を示した。
 実行委員会事務局では「運営形態・資金確保・演出方法など何でも結構です。アイデアやご意見があればぜひお聞かせください」と呼び掛けている。連絡は須坂商工会議所TEL026-245-0031まで。

2009-04-11 07:00 am by 須坂新聞 - 0 コメント



須坂新聞


 須坂新聞はタブロイド判(20P~24P)で毎週土曜発行(年間48回)長野県須高地域(須坂市・小布施町・高山村・長野市若穂地区)で購読をいただいております。また配達地域外でも郵送にてご購読いただけます。購読料は1100円(月額/税込)です。購読お申し込みはこちらから。