内藤孝子さんが亡娘の形見を冊子に

2009-03-18 07:00 am by 須坂新聞

お知らせ icon 須坂市東横町の内藤孝子さん(88)はこのほど、平成19年2月に58歳で病死した一人娘の雅子さんが20代のころ須坂新聞に連載した「ドン・キホーテの国〜スペイン留学奮戦記」を冊子にまとめた。孝子さん自身高齢となり、元気なうちに娘の思い出を形に残したいと作った。
雅子さんは眼科医だった父進さん、母孝子さんの長女として生まれた。長野清泉女学院高から清泉女学院大学スペイン語科に進み、さらにスペインの国立マドリード大学文学部外国人コースに合格、須坂新聞への連載は2年余りの留学から帰国してまもなくの昭和46年10月16日号から47年1月29日号まで13回シリーズで行われ、大学生活やスペインの文化、旅の思い出などが明るく綴られている。雅子さんはその後、語学力を生かして大使館勤務や通訳などで活躍した。
 完成した冊子はA4判、オールカラーの52ページ。新聞に掲載した文章や写真はそのままに、手持ちの写真や葉書のほか、現地を旅した知人に頼んで撮影してもらった最近の風景写真や地図なども加えた。
 孝子さんは前書きや後書きで「泣くまいと思っても、どうにもならないこの涙。雅子は『自分の身につく勉強がしたい。心配しないで』と、昭和45年2月27日、スペイン留学に向け羽田空港を飛び立ちました。奇しくも、その37年後の平成19年の同じ月、同じ日に、私を遺して旅立つことになるとは神ならぬ身、知ろうはずもありませんでした。命のはかなさに胸の詰まる思いでいっぱいです。雅子もどこか未知の国で楽しかったことや苦しかったことを語っていると思います」と、子どもに先立たれた母の心情を綴り、全編愛情にあふれた一冊になっている。
 孝子さんは「念願の本が完成して本当にうれしい。毎日見ています。出来ることならスペインに行って、雅子の思い出の場所を訪ねてみたい」と話している。百部を印刷、関係者や知人らに配った。連絡は内藤さんTEL026-245-6110まで。

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