2008-08-04 07:00 am by 須坂新聞
須坂商工会議所は、新しい体験学習旅行の商品化に向け、峰の原高原を活性化する「峰の原高原元気づくり調査事業」に着手した。(財)県中小企業振興センターが地域活性化を図る企業などを支援するために設置した基金事業の助成対象となり、今年度は支援金約130万円を使って事業展開する。来年度からは体験ツアーなどを実施する予定。
峰の原全体の来客数は平成4年ピーク時は32万人だったが、19年は60%減の12万5,000人。要因は▽リピーターの高齢化▽レジャーの多様化▽スキー客の減少▽海外を含む観光地間競争の激化▽春〜秋シーズンの商品企画の遅れ―等。
そこで同会議所は市街地、里山・農村地域との連携で、峰の原高原の豊かな自然資源をより生かしたいとして、エコツーリズムを基調に需要が期待される体験学習市場に向けて、新たな学習プログラムの開発を目指す。
市場動向は▽学校教育法改正で宿泊型体験学習の充実、グリーンツーリズムの推進▽都市住民意識調査(農水省)では農業・生活体験への需要は大▽子ども農村漁村プロジェクト(文科省、農水省、総務省)がスタート=小学校高学年・1週間滞在▽「観光立県長野」再興計画(08〜12年)―自然と地域資源を生かした体験型観光の推進▽今年度、エコツーリズム推進法が施行―など、事業推進の環境が整っている。
会議所の販売戦略は▽ペンションなどの規模に適合する教育市場の開拓▽首都圏を中心に誘客性の高い中小規模の学校など対象▽広告宣伝の共同化▽国・県などの販路開拓支援事業への参加―など。
阪牧吉次事務局長は「グリーン・エコツーリズム促進の流れから、実用化の可能性は大きい。単なる体験ではなく、研究機関と連携し、地域の人と交流することによるコミュニケーション能力の開発などに努めたい」と話している。
今年度は▽エコ・グリーンツーリズム先進地の調査研究〜新しい学習旅行の形を模索▽体験学習資源の調査▽課題を明確化したプログラム開発▽峰の原ペンション群と農村地域、中心市街地との新たな協力のあり方の研究▽須坂市、松本大学、国・県関係機関などとの連携―等を図る。
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