【特集】何もかも値上げ〜苦悩の現場…1

2008-06-07 07:00 am by 須坂新聞

趣味・生活 icon レギュラーガソリンが1日、ついに1リットル当たり170円台に突入、食品価格も軒並み高騰、私たちの暮らしは苦しくなるばかりだ。本紙は、商品への価格転嫁と顧客サービスの狭間で苦しむスーパーや食品製造業者、先行きの見えない値上げラッシュに四苦八苦する消費者、農業生産者らを取材した。そこから見えて来たものとは―。

「負担感じぬように」
 マツヤ須坂西店では、渡辺郁雄店長が「出来立てのお総菜が特売です」と声を張り上げる。粉物、加工品、乳製品などメーカー品は軒並み値上げだが、そのまま価格に転嫁できない面もあり、総菜・肉・刺し身などに付加価値をつけたり、客に喜ばれるよう特売サービスで工夫している。
 JA須高アグリスも、メーカー品の値上げ分をそのまま価格に転嫁できない。田尻芳久店長は「価格は他店の状況も見て設定。お客様が負担を感じないサービスに努めたい」とし、生産者直売コーナーでは地元農家の新鮮な野菜・果物を市価より安く販売する。

「ギリギリまで頑張ります」
 隣接のかりん亭須坂支店は「黒豚肉と海鮮料理」が売り。主力のマグロが1kg当たり1,000円など原材料が軒並みアップだが、価格は変えない。「5月は昨年同月比で10%アップの売り上げ。ギリギリまで頑張ります」と東條繁明店長。ゆきむら亭は今月中に各種ラーメンを20円ほど値上げする。この12年間、据え置きできたが、島田義夫店長は「めんなど原材料の大幅な値上げで限界」と話す。
 須坂市内のセブンイレブンはパン類・おにぎり・牛乳などを10〜20円値上げ。食料品店は「菓子類はメーカーの値上げ分を転嫁するしかない。大手のような特売はできない。昨年より売り上げは下がった」と話す。

「小さい店は苦しい」
 大豆はこの1年で2倍に高騰。春木町の渡辺トーフ店(渡辺慶基社長)は「価格転嫁できない。大手メーカーは年間計画で大豆を同一価格で購入するため値上げしない。小さな店はついていけず苦しい」と話す。カメラ店は、薬品・印画紙代などアップのため現像プリント代を5円上げて37円にした。同店では「5月のGWも注文が伸びない。遊びに行かないのか、行っても撮影しないのか」。

「採算とれず断念」
 食品高騰の一因とされる原油高は農家を直撃。須高地区のハウスブドウ(巨峰)の面積は昨年比1.8ha減の22.2haに。そのうち2割は経費のかかる12月栽培を止め、1〜2月栽培に切り換えた。JA須高は「原油高で採算が取れず断念する農家は多い。巨峰価格は前年比8%上乗せしたが、遅く出すほど値は下がる。農家は収入が伸びずに苦しいと思う」と説明した。
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