須坂市の道路工事が保留に〜建設会社に危機感

2008-04-15 07:00 am by 須坂新聞

政治・経済 icon ガソリン暫定税率の失効を受け、県内の多くの市町村が道路関連工事の入札や予算執行を見合わせている。須高では、須坂市が今年度予定の市道3路線などの改修・拡幅工事が保留となった。受注できない市内の建設会社は危機感を募らせている。先週号に続いて暫定税率期限切れで揺れる現場を取り上げる。
 須坂市は井上松宮中島線、幸高福島線、沼目南沖線の3路線の工事を予定。このうち井上松宮中島線は20、21年度の2年計画で修復工事を計画しているが、発注の見通しが立たない。同線は上信越自動車道須坂長野東インター交差点から村山方面に抜ける全長約1.5kmの路線で、平成4年のインター開通から交通量が激しくなり、亀裂などが随所に見られる。市まちづくり推進部では「安全走行のほか、振動による近隣民家への迷惑、トラックの荷崩れなどが心配。早く国会が正常化してほしい」と話している。残り2車線は設計・土地買収の段階で今年度の着工ではないが、先延ばしとなれば影響が出る。
 暫定税率廃止の影響で、長野県の今年度・道路特定財源は41%減の169億円、県内市町村では42%減の108億円に減額。須坂市は暫定税率分として約1億6,000万円、それを財源とする臨時交付金が約4,900万円。合わせて2億円ほどの減額で、今年度の道路予算5億4,500万円の4割を占める。
 市内の建設会社の多くは公共事業への依存度が高い。金融機関も公共事業受注の実績をみて融資する場合も少なくない。取材に応じた建設会社は「このまま市からの発注がずれると融資が受けられず経営も続けられなくなる」と困惑している。
 暫定税率が5月に復活しても自治体からの工事発注は早くて6月、工事前払い金は7月となり、この3カ月は仕事も融資も得られない。ここ数年の公共事業の減少に伴い、「売り上げに占める公共事業の割合は5割から3割に激減。その分、民間での競争が激しくなっている。大幅なリストラを断行、給与減額、ボーナスカットでも追い付かない。国会は党利党略ではなく、その一番大事な現場を見てほしい」。
 また、現在の入札制度は、地元以外も参加できる仕組みだが、毎年の除雪やボランティアなどの地域貢献が報われず、地元業者の生き残りも大変という。
 帝国データバンクによると、県内で2007年に倒産した建設業者は前年より13社多い49社。資材価格の高騰や建築基準法改正などによるものだが、暫定税率失効が拍車をかけかねない。
 なお、暫定税率失効で、小布施町で約1億3,000万円、高山村で約5,000万円が減額。当面は地方交付税などで対応するが、担当者は「長引くと深刻な事態になる」と話していた。

2008-04-15 07:00 am by 須坂新聞 - 0 コメント



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