「必要に迫られる日常」〜須坂病院「病院祭」

2007-11-18 07:00 am by 須坂新聞

お知らせ icon 県立須坂病院の第6回病院祭(高山雅至実行委員長)は先ごろ、1,000人を超える来場者でにぎわった。産科医2人のうち1人がけがのため出産扱いが来年度休止となる問題で、医師確保に注目が集まる中、展示では「産婦人科医の日常」や「ある外科医の2日間(36時間勤務の地獄)」などを紹介し、必要に迫られる日常を訴えた=写真上。院長講話では病院の使命や命について説いた。友の会主催の二胡演奏や感染症テント実演もあった。
 展示で医師不足(厚労省の見解)は「絶対的医師数の問題ではなく、地域や診療科による医師偏在が問題で、医師の臨床研修制度が顕在化させた。いわゆる医局講座制は医師を地方病院に巡回派遣する機能を持っていた」。一方、「医療費抑制政策を進めた結果、医療現場の人的資源が世界基準(OECD平均)で絶対的に不足している」と紹介した。
 院長講話で斉藤博院長は「病院は昭和23年に20床でスタートし、来年60年を迎える。338床で一般310床。20科・3診療部(総合、感染制御、在宅)・4専門外来(海外渡航者、女性専用、漢方・東洋医学、禁煙)・1センター(健康管理センター)があり、400人近い人が支えている」
 「県立病院と地域基幹病院の2つの使命がある。へき地医療や総合診療のできる医師の養成など人材育成、感染症関連などと、一般診療、救急・災害医療、在宅医療、検診、最新機器整備など担っている」と説明した。
 屋外に設置する感染症テントは、空気を送って組み立てる。院内感染の防止や大流行時対応、新型インフルエンザ対応、自然災害対応などで本年度松本保健所と同院に設置された。駐車場で組み立て実演をした=写真下。
 2棟あり、前室は10平方メートル、診療室は20平方メートルほど。冷暖房機器が設置でき、空気をろ過し、壁が二重で冬でも使えるという。
 高橋央感染制御部長は「感染症病棟などハード整備とともにソフト(感染防御訓練)の強化も重要」と話す。

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