須坂園芸高校に来年度食品科学科新設

2006-07-22 12:00 am by 須坂新聞

学校・教育 icon 須坂市南横町の須坂園芸高校(田村重俊校長、458人)は新年度から園芸科の食品製造関連2コースを分離して食品科学科を新設する。14日の県教委定例会で同校の提案が認められた。
 学科内に「食品製造」と「微生物バイオ」の2コースを置く。食品製造コースは従来の発酵食品(みそ、しょう油、酒、酢)に加えてワイン製造を学ぶ。スモークチーズの薫製やリンゴ加工品など地域特産品の開発も行う。微生物バイオコースは微生物を利用したワインやみそなど発酵食品の醸造技術を習得する。
 農業がコメや野菜などを生産する素材産業から高付加価値の食品産業に移行し、須高地域でも松川扇状地の優良果樹地帯で土地利用型のワインブドウ栽培が注目され、ワイン醸造が進む中で、発酵食品の分野で地域農業を担う人材を育てる。
 田村校長は「アルコールを扱った実験ができるよう準備を進めている。自分たちの学校でワインを造る夢も持ちたい。これまで後継者が育成されてこなかった醸造の分野でも21世紀のスペシャリストを育てる」と話す。地域に残る単独の農業高校として▽産学協同による地域づくり▽上級学校を目指したキャリア教育―なども掲げる。
 園芸高の提案に地元も賛同し、同窓会長やPTA会長、須高三市町村長、JA須高組合長、県農業経営者協会上高井支部長の連名で県教委に学科設置の要望書を提出した。ワインブドウ産地化を施策に掲げる久保田高山村長は「地元の農業高校が技術開発や人材育成で地域に協力してくれる意味は大きい」と期待する。
 同校は現在、3学科10コース。新年度は園芸科(果樹科学・野菜科学・フラワーデザイン)、食品科学科(微生物バイオ・食品製造)、農業経済科(流通経済・情報会計)、造園科(環境工学・緑地計画・造園技術)の4学科10コース。募集定員は4学科合計160人(食品科学科40人)の予定。8月1日に中学3年生の体験学習を行う。
 県教委は高校改革プラン実施計画で、再編対象になっていない学校の魅力づくりを平成20年度をめどに検討するよう求めている。19年度は須坂園芸、軽井沢、穂高商業、飯田風越の4校がいずれも学科改編を提案し、認められた。

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