中学男子に増える「やせ願望」/上高井学校保健統計

2006-01-30 12:00 am by 須坂新聞

お知らせ icon 上高井教育会の学校保健統計調査委員会はこのほど「平成17年度上高井学校保健統計」をまとめた。家の中でゲームをして過ごす子どもたちの急増とともに、肥満や視力の低下などが大きな問題になっているが、中学校男子の”やせ願望”がここ10年間で急増していることがわかった。

 日本小児科学会の資料に基づく年齢別身長別肥満度で、標準値マイナス20%以上のやせすぎの中学生は男子が39人、女子は35人で、割合はともに全体の3.4%。女子は2.2%だった10年前(平成7年郡統計)の約1.5倍、男子は0.9%だった10年前の約3.8倍に増えている。テレビや雑誌に登場するタレントのスリムな体型に憧れ、強いやせ願望を抱くケースも多いのでは―と調査委員会。こうした願望は以前は女子が圧倒的だったが、ここ10年のうちに男女差がなくなった。小学校の児童のやせすぎの割合は、男子1.1%、女子1.6%。
 反対に肥満度は―。標準値プラス50%以上の高度肥満は小学校男子は0.9%(平成7年郡統計は6.2%)、同女子は0.5%(同5.1%)。中学校男子は1.8%(同6.6%)、同女子は0.9%(同4.8%)。やせ願望の増加と反比例して、10年前より大幅に減少した。しかし依然、肥満の原因は食生活を含む生活リズムの乱れ、運動不足による場合が多く、最近は特に家の中でゲームをする機会が多いことも理由の一つにあげられている。また、裸眼視力の1.0未満の児童生徒は各学年で増加の一途をたどっている。
 同調査委員会の小田切優美委員長(井上小)は「肥満、やせすぎを改善または解消するためにも、運動量と食生活のバランスを保った生活を心掛けてほしい。また、子どもたちの心身にさまざまな影響を及ぼすゲームを完全に取り上げてしまうわけにはいかないが、親子で遊び方のルールを決めたり、体を鍛えるためにも外遊びなどに目を向けて」と呼び掛けている。
 このほか調査委員会では統計以外で、発育段階の小学生が社会体育でハードな練習に熱中し、翌日の学校生活などに支障をきたす例があることにも注目している。
 目標を持って参加する子が多く、精神面での成長も期待できる半面、体に疲労が残り、登校しても保健室で休養するケースも実際に報告されているという。成長に伴わない無理な練習は場合によっては体の故障につながることも。子ども自身が怪我や体の不調を親や指導者に訴え、練習を休むことができるようなチーム環境も求められている。

2006-01-30 12:00 am by 須坂新聞 - 0 コメント



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