2005-10-03 09:43 am by いけいけすざか
脳外傷友の会「信州」と、須坂市のNPO法人カントリーファームはこのほど、市文化会館で高次脳機能障害者と家族が元気になるためのシンポを開いた=写真上。東川悦子日本脳外傷友の会会長(平塚市)や先進県の代表らが障害の動向や支援について語った。前日には塩野町の農場で肉ジャガ大会を行い、交流した=写真下は耕運作業。
同障害は事故や病気で脳を損傷し、記憶力や注意力、判断力、遂行機能などが低下する後遺症により生活や対人関係に影響がでる。診断基準が確立されていないため、理解が得られていない。シンポジウムは一般の理解を深める目的で開いた。
両団体の上原正巳代表は「信州に加入し四年になる。当事者家族は一生懸命だが、なぜか盛り上がらない。当事者家族を取り巻く精神は、従来無償で自発的に利他性で行うが、NPOを立ち上げて、自己実現性や先駆性、補完性が大切だと感じる。カントリーファームは農業を通じた屋外型リハビリやリラクゼーションの場を提供し、参加者も楽しんでいる。北信地区での拠点の役割を担いたい」と述べた。
おかやま脳外傷友の会「モモ」の清水正紀会長は「平成13年に会を設立し、15年にNPO法人格を取得した。正しい理解と社会参加を柱に活動している。同障害は適切な支援があれば回復・改善していく。社会参加・社会復帰へ向け、医療後に適切な福祉的生活訓練や職業(準備)訓練が必要だ」と述べた。
神奈川県総合リハセンター・同リハ支援センターの支援コーディネーター生方克之さんは「ワンストップで地域を対象にマネジメントプランを作る支援コーディネーターが必要だ。同障害者には 陰制度上 隠知らないこと 韻誤った情報―の三つの不利がある。医療・更生施設でのリハや作業所など本人が目標・目的を理解し、家族のケアも考えて生活を組み立てる必要がある。どうすべきか皆分からないので、今できることができたら自分を褒めて」と説明した。
県リハセンター医務部長の田丸冬彦さんは「一見大したことがなさそうに見えるが、社会参加がうまくできない特徴がある。医療での適切な介入が難しく、世の中ではまだ少数の障害。家庭でみる人の問題や単純作業が少ない社会・産業構造の脳化の問題、本人のプライドの問題などがある。訓練と周りの環境を整えることが重要だ。県では復職、就職、自活生活を目的に同障害者自律支援訓練事業を行っている」と紹介した。
質疑応答でパネラーは「人生の途中で本人が変わってしまい、家族は受け入れ難いが、一生その状況が続くわけではないのであきらめないことが大事だ。目標を決め、時間をかけることだ。情報交換や雑談する場が必要だ。地域住民の理解と協力も必要だ。楽しい事業に人は集まるので助成など公的支援も必要だが、人的ネットや仕組みを知恵と工夫でつくって活動して」と語った。
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