2025-06-07 07:00 am by 須坂新聞
故郷の須坂市を離れて鍛錬し、プロ野球の舞台を目指す高校球児がいる。村石町出身の未来富山3年、江藤蓮投手(18)だ。U-18日本代表候補選手に選ばれた逸材で、NPB球団のスカウトも熱い視線を注ぐ。「プロ野球選手になって活躍したい」。謙虚に、ひた向きに、夢への階段を駆け上がる。
ゆったりとしたフォームから放たれる力強い直球と、鋭く曲がる変化球が打者を翻弄(ほんろう)する。1日、須坂創成との練習試合でプロ注目の左腕がうなった。先発登板し、四回無失点の好投。「真っすぐにばらつきはあったけど、変化球は低めに集められたので良かった」と振り返った。
高甫小2年の時に硬式野球の須坂マイナーで野球を始めた。4年からは軟式野球の豊野アップルズでプレー。常盤中時代は硬式野球の千曲ボーイズで全国大会に出場するなど活躍した。
野球に集中できる環境を求め、通信制高校の未来富山に進学した。1年春からベンチ入りし、秋からはエースに抜てき。昨夏の富山大会では4強入りに貢献した。角鴻太郎監督(34)は「真っすぐも速いが制球力が良い」と評価する。
身長180cm、体重84kg。自己最速145kmの直球と切れのあるカットボール、緩いカーブが武器。球速は入学当初から10km以上アップした。スライダーやチェンジアップも操り、緩急をつけた投球で打者に向かう。
自他共に認める負けず嫌いな性格だ。今年4月に行われたU-18日本代表候補選手の強化合宿(42人中38人参加)では、甲子園常連校の選手らと一緒に汗を流し、実力をアピールした。「とても良い経験になり、いろいろなことを吸収できた。(紅白戦では)自分の投球で打者を抑えることができたので自信になった」と手応えを口にする。
この活躍でスカウトの注目も高まった。角監督によると、これまでにNPB全12球団が視察に訪れた。角監督は「1人で黙々と努力できるタイプ。チームのためにも、もう一回りも二回りも成長してほしい」と期待する。
高校最後の夏が迫る。昨秋、今春の富山大会は、ともに3回戦で敗れた。「チームの課題はたくさんある」と江藤投手。自身も大黒柱として、さらに制球や球質に磨きをかけるつもりだ。
マウンドでは常に平常心を心がける。「一戦必勝。チームを勝たせられる投球をしたい」。白球に夢を乗せ、仲間と共に憧れの甲子園出場を懸けた戦いに万全を期す。
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