【須坂市動物園】県内初絶滅危惧種のニホンイヌワシのひな誕生

2025-05-17 07:00 am by 須坂新聞

お知らせ icon 須坂市動物園で3月25日、絶滅危惧種で国の天然記念物に指定されているニホンイヌワシの赤ちゃんが誕生した。取り組み開始から9年目で、県内初となる繁殖に成功。ひなは親鳥の世話ですくすく成長している。
 同園は2016年からオスの風輝(ふうき)とメスの小楢(こなら)を同じ獣舎で飼育し、繁殖に取り組んできた。ひなは2羽が運んだ餌をもりもりと食べ、成長している。13日時点の体長(くちばしから尾羽)は約50cm。白い羽根の上に茶黒い羽根が生えていて、あと20日ほどで親鳥と同じ大きさになり、巣立ちの時期を迎えるという。
 小楢は19〜22年に卵を産んだが、かえらなかった。警戒心を強めた風輝と小楢が巣から出て、卵が冷えてしまったのが原因の一つと考えられている。
 23、24年は周囲の騒音や人の視線がストレスとなり、産卵がなかった。今年はイヌワシ舎に目隠しを施し、掃除や餌やりも短時間で終わるようにした。2月に産卵。2羽が交代で卵を温め続け、一つの卵がかえった。
 飼育員の笹島優里華さん(27)は「最初の産卵から7年目。何が正解か分からず手探りで繁殖に取り組んできた。鳴き声を聞いたときに本当によかったと思った」と喜ぶ。
 最近のひなは「餌を元気よく食べて、少しずつイヌワシらしいたくましい体つきになってきた。外の世界にも興味を示し始めていて、巣から顔を出す時もある」と話し、子育て中のイヌワシはストレスをためやすいため、静かに見守ってほしいとしている。 
 11月には繁殖期を迎える親鳥と住居を分けるため、正門近くのイヌワシ舎に移る。
 現在、園内やインターネットでひなの愛称を募集している。県内で初めて生まれたため、長野県や須坂市、イヌワシらしい名前を募集。採用された人は命名式に招待される。

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