須高の3人に知事表彰

2022-06-11 07:00 am by 須坂新聞

お知らせ icon 本年度の知事表彰が7日、長野市で開かれ、県内の88個人と2団体が受賞した。須高地区では地方自治功労で前小布施町長の市村良三さん(74、小布施町上町)、消防功労で須坂市消防団団長の中村公彦さん(55、須坂市南横町)、社会福祉功労で須坂市民生児童委員協議会会長の永田繁江さん(74、須坂市境沢町)が受賞した。
 市村さんは小布施堂副社長を経て、2005年から4期16年、小布施町長を務めた。「協働と交流」をテーマに行政運営。町民、町内外企業、大学などと交流、それらの知見や実践をまちづくりに生かした。町活性化のため小布施若者会議などで全国から多数の青年を結集、その後多くの青年が移住してまちづくりに取り組む。
 「小布施には外から来た人を温かく迎え知恵を借りる文化があり、県外からの若い人も伸び伸び活躍できる。それが持続可能で発展的なまちづくりの基本になる」と話す。
 国から公共施設等の耐震化の方針があり、2012年〜15年で16自治会の公会堂の改修、新築を全て実施。多額な個人負担に協力した住民に「町民力、地域愛」を感じた。
 2005年度末、59億円超の町債残高を18年度末には27億余とするなど財政を再建。
 受賞に、市村さんは「小布施は人と人との絆を大切にして主体的に歩んできた。そうした町民力、地域力があっての栄誉」と話す。
 今後について「若い人の邪魔にならないように応援していきたい。国道403号を、人中心の道にする活動がライフワーク」。
 現在、大正大学地域構想研究所客員教授、小布施堂取締役。
 中村さんは1988年に須坂市消防団員を拝命以来、約30年間職務に精励してきた。この間、第3分団長など歴任。2014年〜20年に副団長、20年から団長として消防団の統括、組織の活性化、災害防除・救助などにリーダーシップを発揮。
 2022年4月、大規模災害などに対する地域防災力を維持することを目的に消防団活動の役割に応じて多様な人材を任用する、機能別団員制度を導入。「慢性化した団員不足に対応したもの。団員が働きやすい環境整備や社会的評価の向上に努めていきたい」
 中村さんが最も記憶に残るのは2019年10月12日、台風19号がもたらした豪雨災害。市消防団では北相之島団地の住民84人をゴムボート3艘で救助したほか、河川などでの警戒巡視、排水活動、水門操作などを実施。10月12日〜27日に延べ952人が土のう積みなどに尽力した。
 中村さんは「多くの団員に支えられて職務を全うしてきた。コロナ感染の収束が見えず災害の頻度も高まっているが、今後も地域防災の担い手としての誇りを持って団員と共に働きたい」と話す。
 永田さんは2001年12月に民生児童委員に委嘱、07年から副会長、16年から会長を務めている。地域の高齢者、障がい者、子育て世帯などへの訪問、見守りに尽力。行政と住民との橋渡し役として同会の活性化に貢献、社会福祉の推進、発展に寄与してきた。
 現在地区内の約250軒を担当。コロナ禍ではポストに手紙を入れて電話で励ますこともあった。運動不足となり自宅で転倒して骨折入院する人も見られ、最近は介護認定申請の相談や認知症対応などが増加。会の運営も会議や研修が困難となり、オンラインを活用して委員同士の交流を図っている。
 3年前の台風19号災害では、会として要配慮者へ声かけを実施、地域の人と連携して避難所誘導を支援した。ボランティアセンターでは受付、炊き出しなどを手伝った。「ボランティアが気持ち良く活動できるよう心掛けた。調理した豚汁などをおいしいと感謝されたことが記憶に残る」
 永田さんは「多くの素晴らしい人たちとの出会いと協力があったこと、家族介護の体験から寄り添う大切さなどを学んだことが活動の力となった。今後も感謝の心を忘れず、地域のために貢献していきたい」と話す。

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