【須坂市】歴史的建物にぎわい拠点に

2022-03-26 09:20 am by 須坂新聞

まちづくり icon 須坂市は、中心市街地の中町(ローソン須坂上中町店東側)にある歴史的建物2棟を、地域の交流とにぎわいを創出するための拠点施設にする。独立開業を目指す人に店舗を貸し出す「チャレンジショップ」として活用。施設運営には指定管理者制度を採用し、民間事業者のノウハウを生かす。今月中には管理者の公募を開始したい考えだ。施設は一部を対象に、昨年11月から進めてきた改修工事が間もなく終わる。秋ごろの供用開始を目指していく。
 名称は「市賑(にぎ)わい創出拠点『やまじゅう』」。市議会3月定例会最終日の18日、施設の設置や管理に関して必要な事項を定める条例が可決された。
 市によると、2棟とも明治32(1957)年建築の木造2階建て。延べ床面積は合わせて517平方メートル。伝統的建造物が多く集まる町並みの象徴的な建物という。
 1棟(大字須坂202-1)は、以前から市が所有。これまでに郷土食体験などの施設「よっと蔵い」などとして使われてきた。直近では、地域おこし協力隊の活動拠点「コミュニティスペース結」があった。
 隣接するもう1棟(大字須坂197)は昨年3月、所有者から寄付された。現在、一部を協力隊の事務所として利用している。「やまじゅう」の名称は、かつてこの施設が「旧持田亘家・山十(やまじゅう)製糸事務所」だったことに由来するという。
 施設は、内部を中心に改修。やまじゅうでは、1階に設ける厨房設備など完備の飲食店スペース(84.3平方メートル)と店舗スペース(46.3平方メートル)、2階に設ける交流スペース(30.5平方メートル)をチャレンジショップとして貸し出す。
 店舗目的での利用料は、各スペースに応じて1日1,000円〜2,000円、1カ月2万〜4万円に設定した。期間は利用開始日から連続1年以内が基本。目的によって各スペースを使い分けることで「幅広い業種の出店を受け入れられる」(商業観光課)とする。
 屋外オープンスペース(181平方メートル)には芝を張り、ウッドデッキやステージを設置。公園の役割を持たせた憩いの広場にする。イベント会場としても利用してもらう。
 同課担当者は「まちなかの活性化につながる施設にしたい」と説明する。指定管理者には出店者への経営アドバイスをはじめ、開業に向けた空き物件探しなども担ってもらうという。チャレンジショップをきっかけに「市内での開業を後押しする流れをつくりたい」と考えている。
 施設は、国の地方創生推進交付金3,500万円を活用した本年度の「『まるごと博物館構想』を核とした『人』・『地域資源』で紡ぎだすまちの元気創出事業」(信州須坂まちの元気創出推進委員会事業)の「総合的休憩所・地域交流拠点」として整備。市が新年度予算に盛った200万円を充てて修繕する箇所を残して今月末には完了する予定。
 今回改修していない部分についても、今後は店舗や多目的スペースなどとして活用する計画。財源を確保した上で、順次整備を進めていく方針だ。

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