【須坂市長選】現職三木氏以外に出馬表明はなく、対抗馬が現れるかが焦点

2023-11-25 07:00 am by 須坂新聞

政治・経済 icon 任期満了に伴う須坂市長選(来年1月14日告示、同21日投開票)で、去就が注目されていた現職で5期目の三木正夫氏(74)が立候補を表明した。今期限りで引退の見通しだったが一転、6選を目指す決断をした。告示まで1カ月半余り。現時点で三木氏以外に出馬表明はなく、今後は対抗馬が現れるかどうかが焦点だ。
 17日の定例記者会見で出馬の意向を示した三木氏は「熟慮に熟慮を重ねてきた」と説明。一度は周囲に引退の意向を伝えていた中で、自身の進退に揺れ動いた胸中を語った。
 「(来年度は)市制施行70周年であり、多くの課題もおおむねめどが立ったので今期限りの引退を考えていた」。ただ市長選の動きは低調で、誰からも出馬表明がないことを懸念していたという。
 「2日ほど前まで悩んでいた」。続投を望む市民の声に応えるため、出馬を決めたのは記者会見前日の「16日」と明かした。
 三木氏に近い関係者も驚くほどの急転だったが、後援会幹部らは「市民の声に強く背中を押されたことが最大の理由ではないか。市のためを思った決断だろう」、「やり残した仕事もあるはず。あと4年間は元気にやってくれると思う」と理解や期待を示す。
 後援会は今後、本格的に選挙の準備を進めていく方針。幹部の一人は「(出馬表明により)ぱっとまとまった」と、三木氏への厚い信頼を強調した。
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 現職が出馬を表明したことで情勢は大きく動いたが、注目される対抗馬擁立の見通しは立っていない。
 「誰も立つ人がいなければ議会にも責任があるのではないか」
 市長選を巡ってはこれまで、市議会内から候補擁立を模索する動きがあった。だが、あくまで現職引退後の市政を案じての準備だったとし、擁立を見送る格好だ。
 こうした一部市議らの動きに対し、三木氏は21日の出馬表明で、「私が迷ったことによりご迷惑をかけた皆さまには申し訳ない気持ち」と言及した。
 市議らによると、三木氏からは以前から引退を示唆され、最近も意向を確認したばかりだったという。市議の間では「最終的にはこうなることも予想していた」と受け止める声も聞かれるが、後味の悪さは否めなそう。
 市議の一人は「様子を見ていたのかもしれないがもっと早く手を挙げていてくれたら…。振り回されてしまった感じはある」。別の市議は「引退をにおわせておいて、新しい芽を潰すようなやり方と言われても仕方がないのではないか」と指摘する。
 告示が迫る状況下で、市民からは無投票を危惧する声も出てきている。前回選で候補を擁立した労働、市民団体や政党(共産、社民)などでつくる「民主政治を進める須高地区連絡会」も、擁立の可能性を探っているものの進展はない。
 他にもぎりぎりまで候補擁立の模索が続くとみられるが、ある市議は現市政が長期にわたっていることで「次の人が出にくい雰囲気になっているようにも感じる」と話した。

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