【春の叙勲に3人】遠藤守信さん教育研究功労で〜太田哲郎さんは企業振興功労

2020-05-02 07:00 am by 須坂新聞

お知らせ icon 政府は4月29日、令和2年春の叙勲受章者を発令した。須高関係では、瑞宝中綬章に教育研究功労として信州大学名誉教授の遠藤守信さん(73、須坂市北原町)、旭日双光章に中小企業振興功労としてオリオン機械社長の太田哲郎さん(70、高山村堀之内)、瑞宝小綬章に防衛功労として元航空自衛隊中部航空方面隊司令部総務部長の鈴鹿忠文さん(72、須坂市亀倉町)が輝いた。県内居住者63人。
 遠藤さんは「栄誉に浴することができ、ご指導いただいた先生方や一緒に研究を進めてきた学生諸君に御礼を申し上げたい。さまざまな教育活動とともにナノカーボンの研究、応用開発が広く評価をいただいた…」と本紙の電話取材に語る。
 自宅近くの臥竜山や製糸の須坂がノーベル賞に近い研究者を育んだ。須坂高校、信州大学工学部、同大学院で学んだ。日立製作所に勤め、母校に戻り、研究者の道を歩んだ。
 炭素繊維の研究でカーボンナノチューブと呼ばれる炭素原子が筒状になった構造の物質(通称エンドーファイバー)を発見。大量生成法を開拓し、リチウムイオン電池の電極添加材に応用することで電池特性が大幅に向上し、今日の携帯電子機器の発展に貢献した。
 石油探査用のゴム複合材料への応用や、海水を真水に変える「逆浸透膜技術」を使って地下水も下水も不衛生な飲み水も安全に使用ができ、生活や産業に欠かせない水のリサイクルが可能に。「未来のテーマの水技術を実験中の北九州のプラントは、あと2年のところまで来ている」。
 信大工学部教授から定年退職後、特別特任教授となり、今年1月さらに特別栄誉教授となった。須坂市名誉市民でもある。
 太田さんは、搾乳機などの酪農機器と、水循環による熱源冷却装置「チラー」をはじめとする産業機器を手掛ける会社をけん引。多くの製品で国内トップシェアを持つ。「社員と共に喜びを分かち合いたい」と受章をかみしめる。
 須坂高、東京電機大卒業後、英国ガスコイン社、松下電器産業(現パナソニック)勤務を経て、1978年に入社。91年、創業者で父の故・太田三郎さんから社長を継いだ。
 就任後の目標は「トップダウンからの脱却」だった。業績が落ち込んだリーマン・ショック後は、自ら課題を見つけて解決できる社員の育成を促進。コスト削減や、より品質の高い製品作りに挑み「競争力が強い会社になってきている」。
 同社の発展を支える「冷熱」と「真空」の二つのコア技術は、社会が変わっても「普遍的な技術」。新たなニーズに応えるための技術開発を進めていく。
 代表理事を務める一般財団法人「太田・オリオン財団」(2018年設立)では、県内の理工系学生に奨学金を無償で給付。「学業に専念できる環境を」と、人材育成にも力を入れる。
 知識を身に付けるだけでなく、それを生かして「行動してみるのが信条」と語る。

2020-05-02 07:00 am by 須坂新聞 - 0 コメント



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