【イノベートSUZAKAと広田製作所】飛沫感染防止器具を無償提供〜須坂のものづくりが医療の最前線を支援

2020-04-25 07:00 am by 須坂新聞

工業・商業 icon 新型コロナウイルスの感染拡大でひっ迫する医療現場の一助になればと、企業グループのイノベートSUZAKA(事務局=市産業連携開発課)と広田製作所(須坂市松川林間工業団地)はそれぞれ飛沫感染を防ぐ簡易式「フェースシールド」のフレーム製造を開始、医療機関や福祉施設などに無償で提供している。いずれも大阪大医学部がホームページで公開した図面を活用、3D(3次元)プリンターで製造した。須坂のものづくりが国難打破の最前線に生かされている。
 イノベートSUZAKAは産学官の異業種連携による製品開発を目的に、市内外の中小企業約30社と市、信州大学、国立長野高専などで構成。今回の製造には3Dプリンターを所有するナディック(春木町、上野栄一社長)、中澤鋳造所(野辺町、中澤啓明社長)、ナツバタ製作所(幸高町、小林豊社長)、新井製作所(塩野工業団地、新井達也社長)が参加した。
 3Dプリンターは大量生産が効かず、各企業では1日5〜6個ほど製造。同じく会員企業の伸商機工(塩野工業団地、宮川岳洋社長)は3Dプリンターを使わずアルミニウムなどで製造している。5社合わせて1日20〜30個を大阪大医学部や県内の医療機関などに送っている。フレームの溝に市販のアクリル板やクリアファイルなどをはめれば使える。
 会長の藤澤暁浩さん(北原町、倭技術研究所社長)は「困っている医療機関を助けたいと思い、会員企業に声をかけた。コロナウイルスの感染が拡大する中で、経営に苦労されている皆さんに快く協力していただいた。その意気込みに頭が下がる」と感謝する。
 また、きっかけを作ったナツバタ製作所の小林社長と新井製作所の新井社長は「大阪大学が技術を公開することで、私たちはいつでもどこでも製品を作ることができる。これは新しい連携の形、新たなビジネスモデルが生まれるきっかけになると思う。経営は大変で先も見えないが、気持ちで負けないことが大事だ。今を耐えて、培った新しい技術は将来必ず生きる時が来る。それを信じて頑張りたい」と話している。
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 広田製作所は、自社の3Dプリンターで1日15個ほど製造し、医療機関に優先的に納入している。
 感染拡大に備えて防護服などの確保を進めている長野市内の病院の実情を知った遠藤守信・信大特別特任教授が同社に依頼したのがきっかけで製造に取り組んだ。
 素材は弾力性に富み、衝撃にも強いプラスチック樹脂の薄膜121枚を積層させて成型。市内外の病院や福祉施設などから注文が寄せられている。
 広田文雄社長は「感染拡大を防ぐには医療機関を支援することが大切だ。それが私たちを守ることにもつながる。無償で提供して少しでも社会に貢献したい」と話している。

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