須坂市立博物館の議論開始〜基本計画策定委員会があり方を

2017-11-18 07:00 am by 須坂新聞

お知らせ icon 須坂市立博物館基本計画策定委員会(委員長・笹本正治県立歴史館長、委員15人)は13日、市人権交流センターで第2回を開いた。前回の市内文化施設視察などを踏まえて、老朽化した市立博物館のあり方について本格的な議論を開始した。委員からは市旧小田切家住宅などの文化施設への分散展示や、建て替え、現博物館を収蔵庫に活用するなどといった意見があった。
 最初に事務局の市が市の財政状況を説明。博物館について市の考えとして「一つは(笠鉾会館への)移転。現地改修も不可能ではない。新築が一番望ましいと思うが、当面は財政的に無理ではないか」と話した。
 工事費などの概算を示し、現博物館と同規模(延べ床面積711平方メートル、展示面積454平方メートル)での建て替えは建設工事と展示工事で計約5億1,100万円。大規模改修は改修工事と展示工事で計約4億500万円。笠鉾会館移転は展示工事(笠鉾・祭り屋台展示部分を除いた展示可能面積388平方メートル)で約1億9,400万円とした。いずれの場合も展示工事の基本設計・実施設計費は含まずに計算した。
 話し合いでは現博物館について「いろいろ展示して総合博物館的で印象が薄い。(コンセプトを)絞る必要があると感じた」との指摘があった。
 これに対して「展示はお金をかければいいものができるわけではない」「工夫や知恵でいい展示ができる」との意見が出た。
 また、「市内には特徴ある文化施設(博物館・美術館など)が多くある。それぞれの施設の特徴を生かして(関連する博物館の収蔵品を)分散展示する方法もある。今あるものを生かして、市内をまるごと博物館のようにすれば。そのためには学芸員も重要」との意見が上がった。同様の趣旨の意見は複数の委員からあった。
 一方で、現博物館は隣接する臥竜公園や臥竜山と一体的になっているなどとし、現地周辺での建て替えを提案する意見も複数あった。
 笠鉾会館について「建設から20年以上経っている。リニューアルを考えなければならなくなる。今の展示スペースでは(市立博物館としての)活用は難しい感じがする」との声があった。
 収蔵庫について「資料の種類によって管理の仕方もまったく違う。倉庫を一つ置けばいいという問題ではない」と重要性を指摘する意見があった。これに対して、現博物館を収蔵庫として活用してはとの提案があった。
 教育関係の委員からは「子どもたちは面白いものが好き。展示品を触ってみたいと思う。作ったり、体験したりもできればいい」。ほかに、活動拠点や集いの場としての役割、機能を求める声などもあった。
 なお、市は11月30日まで市ホームページなどで、市民から市立博物館のあり方について意見を募っている。

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