2017-05-27 07:00 am by 須坂新聞
須坂市中町の鈴木養蜂場(鈴木健太郎社長)は、市内の遊休農地をレンゲ畑に再生する取り組みを始めた。
レンゲは蜜源であると共に窒素が多く含まれ水田の堆肥にもなり、初夏には可憐な紅紫色の花が咲く。須坂の新たな花の風物詩にしたいと力を入れている。
少子高齢化の影響で遊休農地の拡大が予想され、しかも農薬やアカシア伐採などのため蜜源が不足している。そこで同社は同事業に着手し、井上の約30アールの農地から始めた。
農地は3年前に借り受け、2年前の10月に26kg分の種子をまいたが、雑草の繁殖力が強くてレンゲはよく根付かなかったという。昨年も同じ分量をまいたところ、今年はだいぶ根付いて見事な花を咲かせた。少量だが須坂産のレンゲ蜜を採取する予定だ。
現在ミツバチの巣箱を3箱設置し、全体で約3万匹いる。1箱に巣枠が16枚あり、1箱で4〜6kgのハチミツが採取できるという。
レンゲ蜂蜜は上品なコク、濃厚な味わいと淡い色調で、多くの人に好まれている。あっさりした甘みのアカシア蜜はクィーン、レンゲ蜜はキングとされている。
肉や魚料理などの隠し味に使われ、肉を柔らかくし料理の味を引き立てる。便秘解消、利尿作用、肝機能の向上作用などがあるとも言われている。
鈴木さんは「根気よく続けて立派なレンゲ畑にしたい。花も美しいので、さらに広げて市民はもちろん、訪れる人たちに喜んでいただきたい」と話す。
土地は井上農地保全会(清水澄夫会長)が紹介。同会は井上地区の遊休農地などの管理を支援しており、今回は草刈りなど農地の管理に協力している。鈴木社長の父である鈴木勝夫会長が数年前に、「遊休農地を有効利用したい」と清水さんに相談したのがきっかけという。
清水会長は「年々遊休農地は拡大。地域の活性化につながればありがたい」と話す。
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