長野市のアールエフが生産拠点に富士通須坂工場を取得

2017-04-01 07:00 am by 須坂新聞

工業・商業 icon 医療・産業用機器など製造・販売のアールエフ(長野市)は31日、富士通(東京都)から、須坂工場(須坂市穀町)を取得した。改修するなどして、同社の「製品生産の中心拠点」とする。生産規模や操業開始時期などは未定としている。須坂工場は2015年以降、空き工場となっていた。新たな企業の進出による市内産業の活性化や雇用創出などが期待される。
 同社が取得したのは工場敷地と建物、周辺の土地(社員寮跡地、旧グラウンド、駐車場など)など合わせて約54,000平方メートル。業績が堅調で、さらなる事業拡大を図るため取得した。売買価格は明らかにしていない。同社では最大規模の事業所(工場)になる見通しという。
 今後、須坂工場の内外装や設備の改修工事などを行って早期の操業開始を目指す。新製品の研究開発にも取り組むという。また、「地元の人材を積極的に雇用」すると共に、地元企業と「業務提携や技術協力を推進」する考え。
 須坂工場敷地内で行っている地下水のPCB(ポリ塩化ビフェニール)の観測を含めた環境対策も、富士通から引き継いで実施していくという。
 同社は本紙の29日の取材に「須坂市にはさまざまな分野の企業があるので、支援、協力をいただきながら、事業を進め、地域貢献に努めたい」と話した。
 アールエフは1998年設立。上田市出身の創業者・丸山次郎氏が社長を務める。医療・工業用X線CT装置や、各種内視鏡、カメラなどの開発・製造・販売を手がけている。医療用機器に強みを持つ。国内に事業所(工場)・店舗を約20カ所置いている。信用調査会社・帝国データバンクによると2016年5月期の年売上高は約120億円。
 富士通須坂工場は、2015年まで、太陽誘電モバイルテクノロジーが賃借して操業していたが、移転して以降、空いたままで、懸案となっていた。
 須坂商工会議所の神林章会頭は「活躍、発展の意気込みを感じる企業。市の活性化につながることを期待している。富士通須坂工場は市民の思い入れのある場所で、広さもあるので、引き継ぐ企業が決まってひと安心した」と話した。
 三木正夫市長は「県や富士通にも努力してもらい、新たな企業が誘致できて良かった。市内には少ない医療分野の会社で、雇用や税収の面からもありがたい」と話した。

2017-04-01 07:00 am by 須坂新聞 - 0 コメント



須坂新聞


 須坂新聞はタブロイド判(20P~24P)で毎週土曜発行(年間48回)長野県須高地域(須坂市・小布施町・高山村・長野市若穂地区)で購読をいただいております。また配達地域外でも郵送にてご購読いただけます。購読料は1100円(月額/税込)です。購読お申し込みはこちらから。