六曲一双の屏風「花春秋図」を寄贈〜日本画家の岡信孝さん、旧小田切家住宅に

2017-02-25 07:00 am by 須坂新聞

お知らせ icon これまでも多くの銘仙着物や民芸品などのコレクションを須坂市に寄贈している日本画家の岡信孝さん(85、横浜市)が今度は自身の作品、六曲一双の屏風「花春秋図」を須坂市に贈った。旧小田切家住宅(春木町)の開館を祝福、記念したもので、同住宅の土蔵で17日から、屏風の披露に合わせた岡さんの作品展「春夏秋冬」が開かれている。初日には岡さんも来場し、関係者約30人が出席してオープニングセレモニーが開かれた。
 岡さんは1932年川崎市生まれ。祖父である近代日本画の巨匠川端龍子(りゅうし)が主宰する青龍社に入り、画家として経験を積む。青龍社解散後は無所属として活動、独自の芸術を切り開いてきた。情感豊かな作品は優美で格調高く、日本美の代表として知られる。善光寺大本願の天井画を制作・寄贈するなど信州ともゆかりが深い。
 このほかにも、東京・芝の増上寺光摂殿の天井画と襖絵を制作・寄贈、大英博物館にはコレクションの神楽面80点を寄贈するなど、国内外の芸術文化向上に貢献している。
 セレモニーで、岡さんは「須坂にまた素晴らしい文化財ができて大変喜ばしい。自分の絵は古い家に合う。自分の絵によって古い家も生きる。美術館ではなくて、このような生活の場だから、なお生きる。自分の絵がお役に立ててうれしいし、このような場を提供していただいた須坂市に感謝したい。1月で85歳になったが、もっと前に進みたいから、振り向いても、振り返ることはしない」とあいさつ、大きな拍手が送られた。
 席上、須坂市から感謝状と記念品が岡さんに贈られた。
 引き続き行われたギャラリートークでは、岡さんの友人の日本画家芳澤一夫さん(神奈川県小田原市)が「花春秋図のような花の生命感を描く画家は岡さんが随一。一見描けそうで誰も描けない。屏風の中の雲を生かし、屏風の山と谷になる部分の構図も計算しつくしている。土蔵の中で作品も一層引き立っている」と説明した。
 作品展は須坂市と須坂市文化振興事業団が主催。「花春秋図」を含む絵画21点のほか、岡さんのコレクションの中からペルシャや中国の壷や土器なども展示している。会期は5月10日まで。木曜日休館。展覧会の入場料は同住宅入館料として300円。問い合わせは同住宅☎026-246-2220まで。

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