2016-05-28 07:00 am by 須坂新聞
須坂青年会議所(田幸宣将理事長)は今年度から、「もう一つの臥竜山」と伝えられる豊丘地区の離山(はなれやま、697m)を須坂の新たな観光名所にする事業に取り組んでいる。第一弾として、21日に離山の周りに桜36本を植樹、臥竜公園と桜でつなぐ観桜スポットに育てたいとしている。
地元に残る「離山伝説」では、豊丘地域にいた夫婦竜のうち雌は山を下りて臥竜山(471m)となり、雄は現在の離山となった―と伝えられている。
その伝説は地元以外では知る人が少なく、離山を訪れる人も少ない。同会議所は、その言い伝えを生かして、臥竜山で桜を楽しんだ人に離山にも足を運んでもらおうと植樹を企画した。豊丘地区としても弁天さんのしだれ桜、大日向観音堂のしだれ桜などに続く、新たな桜の名所として期待できる。
臥竜公園の桜の手入れに取り組む市民有志のグループ「臥竜公園桜守りの会」(羽生田郁雄会長)に協力を依頼、4月下旬から準備を進めてきた。
植樹には地元住民や小中学生も参加し、総勢約70人が汗を流した。今回は八重桜と河津桜の2種類を植え、今後も毎年新たな品種も入れて植樹する。
参加した常盤中3年の向井俊輝君は「桜の植え方を知って良かった。掘る時は石が多く硬くて大変だったが、想像以上に楽しかった」、地元・豊丘上町の地主の坂田敏夫さん、山岸守さんは「植樹することで桜の里になり、竜の伝説が浸透すればいいと思う」と話した。
姉妹都市の神奈川県三浦市からも三浦青年会議所のメンバー6人が河津桜5本を持参して友情参加。理事長の長嶋崇さんは「話を聞いて実際に植樹したいと思った。いい思い出になったし、地域振興のお役に立てればうれしい」と話した。
事業を提案した同会議所社会開発委員長の森山誠一さんは「子どもたちが生き生きと取り組む姿がうれしかった。言い伝えを生かして離山の存在を高め、須坂全体の活性化につなげたい」と意欲を燃やしている。
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