2015-02-28 07:00 am by 須坂新聞
一級印章彫刻技能士の土屋武志さん(39、須坂市上中町、土屋印店)は、熟練技能を競う第28回技能グランプリの職種「印章木口彫刻」(20〜23日、千葉市・幕張メッセ)に初挑戦し、金賞(厚生労働大臣賞、1位)に輝いた。「競技経験では追いつけないので午前、午後合わせて7時間の戦い方を綿密にトライアルして臨んだ。大きなミスもなく、時間内にできてよかった。支援者や家族のおかげ」と話す。
技能グランプリ(厚労省、中央職業能力開発協会、全国技能士連合会主催)は2年ごとに、年齢に関係なく、熟練技能者が技能日本一を競う。28職種に444人が参加した。
初挑戦で優勝した土屋さんは、平成25年3月に一級印章彫刻技能士資格を取得。県職業能力開発協会(太田哲郎会長)の推薦で出場した。県選手団は7職種に13人が挑み、5人が入賞した。
「印章木口彫刻」は3?角のツゲ材に篆書(てんしょ)で「富岡製糸場絹産業遺産群」の11文字を配する。配字(字入れ)▽荒彫り▽仕上げ▽押印の良否―に10〜30点が配点され、作業時間(7時間)超過も減点される。
土屋さんは、大会1カ月前に課題文字が発表されてから、夜間や休日に7時間通しのトライアル(1個)を含む合計8個を試作。作業手順を見直し、時間短縮を図った。
印刀は、日ごろ愛用する故古川清行刀匠の作。前日、仕上げ用3本を入念に研いで臨んだ。「使い慣れ、信頼する刀なので余分な力も入らずリラックスして仕上げができた」。
4年前(2大会前)から7時間(それまで8時間)制となり、今課題は難度も高く、出場した12人(県内もう1人)はベテランぞろいとあって、プレッシャーとも戦った。
「発表後、参考にしてきたベテラン選手から祝福され、不思議な感じだったが、うれしかった。お客さまによりよい品を渡せるようにこれからも挑戦を続けたい」と語った。
父重忠さん(4代目)が営む家業に入って9年目。昨年秋の第20回全国印章技術大競技会(全日本印章業協会主催)に続いて二度目の日本一に輝いた。
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