災害は人ごとではない〜須坂市が総合防災訓練

2014-08-30 07:00 am by 須坂新聞

お知らせ icon 須坂市は24日、常盤中学校グラウンドと市民体育館を会場に総合防災訓練を開き、行政・消防・自治会関係者のほか、市と災害時応援協定を結んだ団体や機関などから約800人が参加。広島土砂災害など全国各地で甚大な自然災害が多発している直後とあって、自主的に参加した市民もいた。
 須坂市の訓練は、昭和56年8月23日に仁礼地区の宇原川で発生した土石流によって10人が犠牲となった「五六災害」を教訓にしようと、同日を「市民防災の日」に定め、直近の日曜日に4中学校区を巡回して開いている。
 訓練は県北部が豪雨に襲われ、河川が氾濫注意水位を越え、須坂市に土砂災害警戒情報が発表される中、震度6強の地震が発生、家屋の倒壊や火災が続発し、今後も余震のおそれがあるなどの想定で30項目を超える訓練や体験を行った。
 このうち、初期消火訓練では住民が協力してバケツリレー。消防本部職員から「バケツリレーには人数が少ない場合に適している一列リレー、その応用として交互に向かい合う千鳥リレー、人数が多い場合に適している二列リレーなどがあり、状況に応じて使い分ける。バケツの水は入れすぎないこと。現場ではバケツより、どの家にも複数あるごみ箱の方が多く集まったという話もある。臨機応変に対応して」などのアドバイスがあった。
 終了式で、三木正夫市長と田所臣夫区長会長は「多くの皆さんに参加していただき、実のある訓練ができた。全国で想定を超える災害が発生しており、災害はいつどこで起きてもおかしくない。自分たちの地域は自分たちで守る、そのためには一人ひとりの防災意識を高めると共に地域の絆が重要で、なお一層絆を深め、情報を共有して、自分たちのできる最善を尽くしてほしい」などと講評した。
 訓練に参加した南横町区長の安藤本治さんは「広島で大災害が起き、県内でも南木曽が被害を受けた。災害は人ごとではなく、須坂でも起こり得ると思っていなければならないと感じた。訓練の体験は必ず生きると思う。多くの人に参加してほしい」と話していた。
 なお、今年は全国各地で局地的な豪雨に見舞われているが、市総務課危機管理係によれば、須坂市でも6月18日、豊丘上町に設置した雨量計で1時間あたり42?を記録した。この数値は五六災害の際に記録した1時間雨量と同じで、気象庁が定めた雨の基準(30?以上50?未満)では「予報用語は激しい雨。バケツをひっくり返したように降る。山崩れ・崖崩れが起きやすくなり、危険地帯では避難の準備が必要となる」などとしている。
 また、須坂市消防本部によれば、須高では25日現在、20件の火災(須坂市15件、小布施町4件、高山村1件)が発生。死者は須坂市で1人、負傷者は須坂市で2人。火災が多発した昨年の同日に比べて件数は21件減、死者は2人減、負傷者は6人減となっている。

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