2014-07-26 07:00 am by 須坂新聞
動画配信大手のドワンゴと子会社のニワンゴが運営する日本最大級のインターネット動画サービス「niconico(ニコニコ)」のユーザーイベントとして全国各地で開催する移動式文化祭「ニコニコ町(ちょう)会議」が19日、須坂カッタカタまつりとタイアップして、芝宮前の市営駐車場を主会場に開かれ、若い人たちを中心に県内外から約5,000人もの人たちが来場。さらには、ネットでの生放送視聴者は26万7,281人に上るというビッグイベントが繰り広げられた。
ニコニコ町会議は今年で3年目。昨年は全国8カ所の夏祭りと連携、ニコニコ動画のさまざまなジャンルで活躍するユーザーと地元ユーザーとの交流をはじめ、地元の文化や特産品の紹介などをニコニコ生放送を通じて全国に発信、地域活性化にもつなげた。各会場とも前年を大幅に上回る人出となり、8会場の総来場者は18万5,000人、ネット上の来場者は158万8,040人を記録した。
今年の「ニコニコ町会議全国ツアー2014」ではニコニコユーザーから開催希望を募集、825市町村(応募総数2,705件)から応募があり、須坂市をはじめ、宮崎県西都市、福井県あわら市など9カ所が選ばれた。須坂市は今年の皮切りで、番外編を含め通算19カ所目となる。
当日須坂市には大雨・洪水・雷注意報(午後は大雨・洪水警報)が発表されていたが、開始前には300人以上が列を作る人気ぶり。来訪者は関東・中京方面も多く、須坂駅から会場に向かう駅前通りは思い思いのコスチュームに身を包んだ若者たちであふれ、都会と見間違うような光景が続いた。
午前11時半からのオープニングセレモニーでは須坂市消防団がラッパ吹奏を行い、三木市長も参加してテープカット。引き続き、メーンステージでは「町歌ってみた」や「町踊ってみた」などの人気イベントが開かれ、来場者は「いつも動画で見ている世界が目の前にあるなんて信じられない」と歓声を上げ、カラオケ・ワークショップ・似顔絵・ゲーム・グッズ販売などのブースも長蛇の列。そのうちの一つ「まるなげ広場」では須坂産のおやきや農産物などの紹介も行われた。
午後5時までの開催時間中2度の雷雨に見舞われたが、来場者の熱気が雨雲を吹き飛ばし、フィナーレでは会場を埋め尽くした人たちがネット上の大ヒット曲「千本桜」を野外コンサートのように大合唱、「今まで須坂では見たことがない」若者たちのパワーが爆発した。
東京から訪れた20代女性は「須坂は初めて来たけど、出身地の北海道と同じようなのどかな雰囲気。きょうの夜仕事があるけど、動画では味わえない町会議の一体感が大好きでやってきた。テンション最高、須坂も最高」と大興奮。岐阜市から訪れた30代男性は「昨年は名古屋の町会議に行ったが、地方は初めて。いろいろなイベントがあり、大勢の人と知り合えてとても楽しかった。カッタカタまつりも見ていきます」と大喜びしていた。
同日開いた須坂カッタカタまつりは推定18,000人の人出があり、例年に比べて約40%増えた。また、町会議のネット来場者は昨年の8会場のすべてを上回り、須坂の知名度向上や地域活性化に大きく貢献した。ドワンゴ宣伝部の古屋涼さんは「町会議も3年目となり、新たな試みも実施したが、これまで以上に盛り上がり、皆さんに楽しんでもらえた。地元の皆さんの協力に感謝したい」と話している。
会場近くに住む50代女性は「全国の若い人たちが須坂に元気を運んできてくれた。若い人たちがこんなに集まり、通りに人があふれている光景は須坂ではあり得なかった。若い人たちは活気があっていい。私も元気をもらった。応募してくれた市民の方はとてもいいことをしてくれた。ドワンゴさん、須坂に来てくれてありがとう」と取材にこたえた。
また、カッタカタまつり実行委員会事務局の市商業観光課は「ニコニコ町会議は市制施行60周年記念にふさわしいビッグイベントになり、須坂を多くの皆さんに知ってもらうことができた。まつりとの相乗効果も絶大だった。この盛り上がりを継続的なまちおこしにつなげ、須坂の魅力を全国に発信していきたい」と話している。
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