大雨注意報吹き飛ばし「みんなの花火」打ち上がる

2014-07-26 07:00 am by 須坂新聞

お知らせ icon 第27回須坂みんなの花火大会(実行委員会主催)は20日夜、百々川緑地で開かれ、約1,600発が夏の夜空を彩った。この日は大気の状態が不安定で大雨・雷・洪水注意報が出されていたが、幸いにも雨は一粒も降ることなく、オープニングイベント、花火とも予定通り行われた。3連休の中日とあって、会場には例年を大幅に上回る約3万人が詰めかけ、北信で最も早い夏の風物詩を楽しんだ。
 この花火大会は明治時代から続く伝統行事だが、2009年は世界同時不況の影響で中止、翌10年から市民総参加の大会にしようと実行委員会の構成団体を増やし、名称も「蔵の町須坂花火の夕べ」から「須坂みんなの花火大会」に改称して再開、市内全世帯に協賛金の振込用紙付きチラシを配布したり、街頭募金も積極的に行う、まさに「みんなの花火大会」になっている。
 須坂市制施行60周年記念事業として開催した今回は花火代となる協賛金として、事業所や団体などから570万1,000円、市民から振り込み用紙で42万3,000円、街頭募金で15万1,263円が寄せられ、メッセージ花火の申込金38万5,000円と合わせて、666万263円が集まった。予算では協賛金総額を680万円と見込んでおり、97.9%の達成率となった。
 花火大会開催前の数日間は大気の不安定な状態が続き、前日19日の午後も須坂カッタカタまつりのイベントが2度の雷雨に見舞われた。大会当日も夕方以降各地で激しい雨のおそれという予報。会場では実行委員会関係者や来場者が祈るような気持ちで空を見上げていたが、皆の願いが通じて、雨雲が会場付近に近づくことなく、オープニングイベントがスタート。須坂東高校ダンス部と天明五閑太鼓が日頃の練習の成果を披露した。
 続いて、神林章実行委員長(須坂商工会議所会頭)が開始宣言を行い、初孫誕生や企業PRなど14件のメッセージ花火を皮切りに、光の芸術ショー「ふるさとへの熱い思い〜すざかの夏」と「蔵の町の花火浪漫〜須坂みんなの花火」がBGMに乗って繰り広げられ、花火が打ち上がるたびに、百々川緑地を埋め尽くした人たちから大きな歓声と拍手が送られた。
 最前列の真ん中で浴衣姿で見ていた長野市のグラバー・アンソニーさん(28、オーストラリア出身)と沙織さん(26)夫妻は「一昨年は大雨できれいに見られなかったので、リベンジと思って早く来た。今回も天気が心配だったが、最後までできてよかった。いろいろな花火大会に行っているが、こんなに真下で見られる所はなく、迫力があり、とてもきれいだった。市民のメッセージ花火などもあって素敵だった」と話していた。
 本部席に設置した募金箱には「とても感動した。来年もがんばって」と19,458円が寄せられ、実行委員会では市民の協力に感謝している。
 打ち上げを終え、神林実行委員長は「昨年も注意報が三つ出ている中で奇跡の開催だったが、今年も奇跡が続いた。住民の皆さん、関係する皆さんの思いが雨を振り払ってくれた。事故なく無事に開催できたことに深く感謝すると共に、来年も一層素晴らしい大会となるよう願っている」と話した。
 また、花火の製造と打ち上げを行った?篠原煙火店(須坂市太子町)の篠原茂男さんは「雨が降らず、これだけ多くの皆さんに花火をお見せすることができてよかった。これからも皆さんが元気になれる花火を打ち上げていきたい。ふるさと須坂での花火は特別。来年も期待してほしい」と熱い思いを語った。

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