障害者支えるサポーターに〜東中3年70人

2014-07-05 07:00 am by 須坂新聞

学校・教育 icon 須坂市の東中学校で1日、誰もが暮らしやすい地域社会の実現を目指して県が進めている「あいサポーター」の研修があり、3年生70人が受講した。生徒たちは多様な障害の特性や接し方、支え合う大切さなどを学び、障害者が日常生活で困っているときにちょっとした手助けや気配りをする「あいサポーター」になった。県内中学、高校での研修参加は初めて。
 同校は平成25年度から、生徒たちが将来を見据えて明確な学習ができるよう、キャリア教育の構築を進めている。より充実した内容を目指してカリキュラムを見直し、年度内にまとめる予定だ。
 現時点での構想は▽1年生=知る▽2年生=体験する▽3年生=考える―がテーマ。3年生は進路学習と福祉体験学習が主な活動となり、今回の研修はその一環として実施した。
 研修は、県が昨年9月から始めた「信州あいサポート運動」事業の一つ。特別な技術習得は不要で、意欲があれば誰でもサポーターになれる。
 あいサポート運動は鳥取県が平成21年11月から開始。現在は島根、広島、奈良を含む5県が取り組んでいる。県内での5月末現在のサポーターは約14,000人。他に「あいサポート企業・団体」に18企業・団体が認定されている。
 生徒たちは、県健康福祉部障害者支援課社会生活係長の伊藤学さんから、障害者の社会参加や就労促進を図ることが目的の運動の概要・事業内容の説明を聞いた。
 障害の特性や、声を掛ける際の配慮点などをまとめたDVDも視聴。視覚障害者には前方から声を掛けること、知的障害者とコミュニケーションを図るにはゆっくり簡単な言葉を使うこと、高次脳機能障害など外見では分からない障害があることなど、12の障害について理解を深めた。手話で簡単なあいさつの仕方も学んだ。
 伊藤さんは「自分のできることからでいいので、障害者が困っていたら声を掛けてほしい。(サポーターの目印の)バッジがあることでその勇気が生まれる」と呼び掛けた。
 また、県社会福祉協議会の高橋幸恵さんは「福祉は特別なものではなく身近にあるもの」と説明。長野市内で共生社会を実践している飲食店をDVDを使って紹介した。「皆さん一人一人の思いやりが欠かせない。まずは自分や身近な人を大切に」と述べた。
 寺沢舞央さんは「障害がある人にどのような手助けをしたらいいかよく分かった。学んだことを生かしていきたい」と話していた。
 翌2日は、須坂市手話サークルの劇を鑑賞したり、メンバーと交流した。
 同校によると、10月には実践研修も考えたいという。

2014-07-05 07:00 am by 須坂新聞 - 0 コメント



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