須坂市全域へ臭気指数導入を

2013-08-31 07:00 am by 須坂新聞

政治・経済 icon 市環境審議会(山際勝彦会長)は23日、「悪臭防止法に基づく規制地域指定および規制基準の変更について」の諮問(7月3日付)に答申した。①同法3条に規定する規制地域は、現規制地域外からの悪臭苦情にも鑑み、市内全域を規制地域に指定することが公平かつ妥当で、規制地域区分は3区分が適当②現行の特定悪臭物質濃度規制に比べ、規制効果が見込まれる同法4条2項に規定する臭気指数規制の導入が適当―とした。
 さらに、規制基準は諮問案の通り、市内の主要悪臭発生業種ごとの敷地境界線上の規制範囲である臭気強度に対応する臭気指数の最小値を設定し、住民の生活環境を保全することが適当。規制変更の施行日は来年4月1日―とした。
 市は昨年2月8日付環境審議会答申(①高甫地域内で発生している悪臭について、周辺住民の良好な生活環境を保全するため、高甫全域規制が適当②将来的には市全域を規制地域に。臭気指数の導入検討を)を経て、昨年4月2日付告示で「大字八町」の全部(一部から)と「大字野辺」(字吹原・字中原の一部を除く)を新たに規制地域に追加した。
 昨年度は臭気指数導入を検討するため、公益社団法人におい・かおり環境協会へ実態調査を委託した。
 無作為抽出市民アンケート(395件から回答154件)や事業者アンケート(約1,200社のうち臭い関連業種109件から回答60件)をまとめ、事業所臭気測定調査(合計10社)を行った。
 委託法人からの提案を踏まえ、市は全域を規制地域とするため、新たに①工業専用地域②市街化調整区域(高甫は24年度から)③都市計画区域外(同)―の全部の追加を予定する(10月告示予定)。
 また、臭気指数規制(10月告示予定)を導入するため、市内を3地域に区分。第1地域は用途地域の住居系とし、1号基準(敷地境界線)での臭気指数を11とする。第2地域は商業系とその他区域とし、臭気指数は13に。第3地域は工業系とし、臭気指数は15に。
 人間の嗅覚を用いて悪臭の程度を数値化する臭気指数規制は①住民の悪臭被害の感覚と一致しやすい②測定時に特定悪臭物質の濃度測定のような高額機器を必要としない③精度管理・安全管理マニュアルが策定され、測定の信頼性が高い―のが特徴。県内では松本市に続いて2市目。
 悪臭防止法は、事業場から発生する悪臭について規制し、住民の生活環境を保全することが目的。
 市は市内全域の事業場で事業活動に伴って発生する悪臭原因物の排出が①規制基準に適合しない②不快な臭いにより住民の生活環境が損なわれていると認めるとき―は、相当の期限を定めて改善勧告ができる。
 また、罰則が適用される改善命令も発動できるが、猶予期間が設けられ、来年4月の規制変更施行(予定)から1年後とされる。
 答申に際し、山際会長は取材に「臭気指数規制の理解は難しかった。環境問題に対して繊細になってきているが、住民にとっては切実な課題」と述べた。
 市は原案に対し、国・県・近隣市町村をはじめ市民や事業者などに広く意見を求め、高甫地区役員会や事業者説明会、住民説明会を行ってきた。10月の告示後には再度事業者説明会を予定している。

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