全国造園デザインコンクール〜須園の6人が入賞

2012-02-05 07:00 am by 須坂新聞

学校・教育 icon 須坂園芸高はこのほど開かれた「第38回全国造園デザインコンクール」(日本造園建設業協会主催)で6人が入賞した。このうち特別賞に当たる日本造園建設業協会会長賞を加藤春実さん(3年、須坂市相森町)、審査委員長特別賞を成沢勇斗君(同、長野市)が受賞した。加藤さんは2年連続の特別賞。
 加藤さんは街区公園部門で「故郷を感じる公園」をテーマに、公園内を3つのゾーンに分け、そのうちの懐かし田舎ゾーンには童謡「ふるさと」をイメージし、段々畑やホタルの飛び交う小川、小動物を追いかける野山の原風景を表現した。
 また昨年の東日本大震災を受け、公園内に米や保存食の防災備蓄庫や非常用トイレを設置、地下には水不足に対応するための耐震性貯水槽を設け、災害時には公園を「避難所」として活用できるようにした。加藤さんは「時間ぎりぎりでやっと仕上がった。アイデアを考えるのは難しかったが、作品を評価してもらえて大変うれしい」と喜んだ。
 成沢君は実習作品部門で「心の安らぎを求めた庭」をテーマに、「大震災や放射能汚染などにより危機に直面している日本をさらなる危機から守護してほしい」との願いを込め、須弥山(しゅみせん)を中心とした室内庭園をデザインした。
 須弥山石組をメーンに、和風庭園、洋風庭園、自然園の4カ所の対比と、それぞれの良さを表現した。成沢君は「まだ直したい部分はあるが、最大限丁寧に描けた。昨年は作品を完成させることができず、出品できなかったので、その悔しさの分まで結果が出せてよかった」と話した。
 指導した西沢国之教諭は「12月から約1カ月、土日や冬休み返上で朝から夕方まで取り組み、中には家に持ち帰って1日12時間以上も図面と向き合った生徒もいた。努力を積み重ねた結果が出て、褒めたい」とたたえた。
 コンクールは高校、大学、一般の部に分かれ▽住宅庭園▽街区公園▽公共的空間▽実習作品─の4部門で作品を審査。応募総数は394点。高校生は36校から298点の応募があった。
 同校からは10人が出品。特別賞2人の他に公共的空間部門で坂田由里香さん(3年、須坂市豊丘上町)、住宅庭園部門で長原千鶴さん(同、中野市)、根岸雅実さん(2年、長野市)、朝日純代さん(同、同)が入選した。
 入賞数6は同校の過去最多に並ぶ。昨年まで6年連続で受賞した高校の部で最も優れた学校に贈られる「文部科学大臣賞」は惜しくも逃したが、特別賞の受賞は9年連続となった。表彰式は4日に東京で行われる。

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