【須坂市長選①】三木正夫さんが3選果たす〜永田さん前回並み健闘

2012-01-28 07:00 am by 須坂新聞

政治・経済 icon 任期満了に伴う須坂市長選は22日、投開票され、現職の三木正夫さん(62、相之島町、無所属)が新人で農業の永田栄一さん(58、境沢町、無所属)に7,000票余の差をつけて3選を果たした。投票率は43.89%と過去最低を更新した。告示直前に3回目の一騎打ちの構図が固まったため、選挙戦の序盤は低調な滑り出し。終盤にかけて盛り上がりを見せたが、無投票ムードが残り、争点もはっきりしなかったことから投票率は前回を6.73ポイント下回った。
 昨年9月の出馬表明以降、後援会が動き、準備が整った三木陣営は、遊説カーや街頭演説で支持を訴え、ミニ集会や個人演説会などを精力的にこなした。
 一方、立候補届け出手続きを告示当日に済ませた永田さんは、選対本部を立ち上げる時間がなかったことから遊説カーと街頭演説中心に浸透を図った。
 舌戦は、三木さんが本年度始まった第五次市総合計画に基づく四大プロジェクト(産業振興・人口増加、生涯学習・健康都市、「人財」「知財」育成活用、地域発環境保全・エネルギー創出)の推進を掲げ、田園環境健康都市を共創で創造し、一人ひとりが輝き、磨かれた「ほんもの」の魅力あふれるまち―の実現を訴えた。
 一方、永田さんは、仁礼の最終処分場候補地は白紙にして再検討▽伝統ある須坂園芸高校と須坂商業高校の統合計画に反対▽米子の滝や峰の原、東地区に残る古道の整備と観光開発▽恵まれた自然と農業・観光を連携させて交流人口・定住人口・雇用の増加を図る―などとし、お金をかけないでできる独自の政策を訴えた。
 国内の政治不信、景気低迷、人口減少・高齢社会の活力不足、震災・原発事故の影響などによる閉塞感から、有権者の選択は「手堅い実績」「十分な経験」
「誠実な人柄」「安定感」の表現に代表され、現市政の継続を求める意向が示された。得票率は71%(前回74%)。
 一方、一新を求める声も示された。最終処分場候補地再検討や須園・須商両校の単独校存続なども絡んで永田さんの得票は前回に比べ141票下回っただけだった。得票率28%(前回25%)。
 選挙戦終了時点では投票率が前回(50.62%)より下がるとの観測が大半で、中には40%を切るとの心配も聞かれた。
 投票率43.89%の結果について、市選挙管理委員会の北原勲委員長は23日の取材に「大変憂慮すべきことと思っている。年代別や町別のデータを見ないと分からないが、原因がどこにあるのか探りたい。市民からもお聞きしたい」と話す。
 「絆」や「地域の結びつき」が見直される時に、投票しない有権者が過半数を超えた。声なき民意にどう向き合うか。市政かじ取り役の手腕が試される。

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