「出会って自ら変わろう」〜クリスマスレクチャーイン須坂

2011-12-24 07:00 am by 須坂新聞

お知らせ icon クリスマスレクチャーイン須坂(市、市教委、須坂商工会議所、須高農協でつくる実行委主催)は17日、メセナホールに二人の講師を招いた。馬場俊秀東京工業大学大学院教授(須坂市出身)は演題「チャンスは行動に比例する〜触媒と私たちとの出会い」の中で、「資源にも人の命にも限りがあるので一日一日に区切りをつけ、触媒(人)との出会いを大事に、自ら変わろうと思って変わってチャンスをつかまえて」と期待した。
 講師は、震災以降、モノ(食料、衣服など)やエネルギー(灯油、ガソリンなど)とともにコミュニケーションが日本に足りないことを感じたという。
 豊かな生活を支えるモノは大半が触媒を使って生み出される。触媒は表に出ないが欠かせない。アンモニアの直接合成によって肥料ができ、食料が豊かになった。また、ポリマー(高分子化合物)の合成で衣服が生まれ、生活が豊かになった。
 身の回りのモノは石油から触媒を使って作られる。日本では豊かな生活を支えるモノやエネルギーを生み出す資源は自給できないので、無駄にしないよう欲しいモノだけを作ることが大事。ベストミックスでモノ、エネルギーを確保し、触媒によって新しいチャレンジをするしかない。この場合、基本の組み合わせが初めの一歩では大変重要―とした。
 また、高校生の聴講に配慮して、コミュニケーションを大事にする一歩は話すべきネタを持つこと。コミュニケーションを磨くには発信、反応、反省の3Hが重要と指摘した。
 一方、前半の講義では市川秀夫昭和電工社長(須坂市出身)が講演した。
 国際化が進展し、新興国の躍進やデジタル化が進み、モジュール化が加速してユニットを組み合わせれば製品ができてしまうことになり、自動車、家電に象徴される産業のピラミッド構造や、その頂点へ集約されて世界と戦ってきた日本の強さが失われつつあることを指摘した。
 「日本人の勤勉さ、手先の器用さが生かせない変化が15年ほど前から急激に起こってきて、すり合わせが必要なくなった。だが21世紀はカーボンの時代。新しい素材で新しいモノができる時代」と日本の進路を示した。
 演題「夢はかなう」の本論では①意欲的な構想、高い目標を持つ②構想を実現する戦略を持つ③障壁を乗り越えるための武器を複数持つ④夢をあきらめないこと―を強調した。
 同レクチャーは4回目。名誉市民遠藤守信信大教授がプロデューサーを務めた。20日は武田徹さん(つれづれ遊学舎主宰)が、22日ははやぶさ宇宙飛行を宇宙航空研究開発機構宇宙科学研究所の川口淳一郎教授が語った。須坂出身中島厚信大大学院教授も解説した。

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