空き店舗に侵入者の懸念〜村山駅前ビル所有者に取材

2009-07-26 07:00 am by 須坂新聞

まちづくり icon 村山駅前ビル(須坂市高梨町)2階を「場外馬券発売施設」に活用する計画が今年1月に浮上し、駅前の活性化を望む声と影響を心配する声があるが、建物を所有する法人の代表が20日、本紙の取材に応じた。空き店舗の現状について「毎日見回っているが、昨年夏ごろから侵入者が相次ぎ、荒らされて困っている。橋や道は良くなったが、肝心な駅前が空き店舗で申し訳ない」と話す。
 建物内部も案内したが、ドアは施錠がこじ開けられ、壁は破損の被害。消火器の粉をまき散らし、金品目当てに探し回るなど侵入者はやりたい放題。その都度、落書きを消し、ごみの散乱を片付けているという。「今の状態が進むことが一番困る」とこぼす。
 村山駅前ショッピングセンター協同組合の理事長で、村山駅前ビル叙代表取締役を務める堀内幸尚さん(75、高梨町)は、同ショッピングセンターがオープンした昭和62年4月から平成13年8月までテナントで米穀店を出店した。
 同駅前開発事業の設立発起人でも協同組合役員でもなかったが、平成11年2月まで務めた市議在任中に地域の要請に応え、使命感もあって協同組合理事に就いたという。
 その後、平成17年2月に理事長に就いたが、当時から負債を抱え、身動きの取れない事業をこのままにしてはおけないと異常事態にもかかわらず理事長を引き受けたという。
 「これ以上周りに迷惑をかけたくないという使命感だけで引き受けた。手を尽くしてテナント募集に当たったが成約には至らなかった」。ショッピングセンター閉店後に入ったスロット店も19年秋に閉店。空きのまま債権者による競売手続きの直前にあるという。
 堀内さんは「われわれの手から離れて競売でどこへ渡るか、その不安も大きい。できることなら、国が認めている場外馬券発売施設に使ってほしい。青少年健全育成や交通渋滞の面など地域に与える影響は特に問題がないと横浜や川崎などの競馬・競輪場を視察して思う」と話す。
 視察先の競馬・競輪場は「会員制で、静かで紙を散らかすこともなく、怖い人もいなかった。未成年の入る心配はなく、業者側の警備もしっかりしていて全く問題はなかった」とし、「安心できる所に借りてもらうとありがたい」と望む。
 事業を計画するのはKNアドバンス(本社静岡市)。概要では年270日営業で1日当たり400人の入場を見込む。1人2万円の購買と推計し、1日800万円、年21億円の売り上げを見込む。
 会員制で写真、住所、氏名を登録し、入場の際は会員証の提示を義務付ける。警備員を置くことで犯罪抑止力になり、交通渋滞を招かないよう警察と十分協議する。環境美化にも配慮し、周辺の清掃を行う。年2回開く環境整備委員会は、行政や地域住民で構成し、PTAもオブザーバーで入り、常に苦情が伝わる仕組みという。
 農水省への申請は高梨、村山町区の同意や、須坂市と市議会の同意、警察署との協議が整い、協力が得られることが必要とされる。
 同計画について、生活環境や児童青少年の健全育成に重大な問題を抱えているとして先ごろ、「場外馬券販売施設問題を考える会」が結成され、理解を深めるための学習会が計画されている。
 市は6月議会一般質問で「地元区など住民の意見を聞き、意向を踏まえ、総合的に判断したい」としている。

2009-07-26 07:00 am by 須坂新聞 - 0 コメント



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