須坂市のシンボル臥竜公園の桜を守れ!

2008-03-22 07:00 am by 須坂新聞

観光 icon 臥竜公園桜の樹勢回復検討会は13日、同会会員で(財)日本花の会主任研究員(樹木医)の和田博幸さんから樹勢診断の調査報告を聞いた。新たに作成した桜台帳をもとに今後、市民、行政、専門家が連携して早急に害虫コスカシバ防除に取り組むことや、樹形管理、表土の膨軟化など具体的強化対策を確認した。三木市長も同席し、「市のシンボル臥竜公園の桜の樹勢回復に向け、できることはすぐにでも取り掛かり、将来にわたりしっかり管理していきたい」と話した。
 日本花の会は昨年秋、臥竜公園内にある桜265本の活力度・生育状況・障害などを調査。樹勢の良いものは57%、明らかに衰退しているものは43%。生育状況では、通常管理を継続していいのは24%、個別またはグループでの対応が必要なのは74%、早急に伐採が必要なのは2%と診断した。
 この結果から和田さんは▽桜が共存できるよう樹高は10m程度に抑える▽通路や広場にボカシ肥を与えたり、根回りにムラサキハナナをまくなどしてさらに表土を軟らかくする▽コスカシバを徹底防除する▽臥竜山(竜ケ池南側)のケヤキなどを剪定して日照を確保する―など今後の対策をあらためて提案した。また枯れ枝が残る96本は早めに除去することや、倒木・幹折れの危険がある16本については、専門家による精密診断を受ける必要があるとアドバイスした。
 臥竜公園の桜の樹勢回復は、樹木医らでつくる「緑の輪」が平成12年に取り組んだのを機に、14年4月、市はさらに住民ボランティア「臥竜公園桜守の会」(羽生田郁雄会長・18人)との協働で、日本花の会の指導を受けながら活動に着手した。処置を施した木は新しい根の生長や、葉の色が濃くなるなどの成果をあげた。しかし同公園内の多くを占めるソメイヨシノの寿命は60年ともいわれ、すでに40〜60年が経過していることから、あらためて管理方法を見直そうと本年度始めに約30人で検討会を立ち上げた。今回の診断結果をもとに新年度の新たな管理スケジュールを組み、一本一本の状況に合わせた適切な管理を進めていく。
 和田さんは「桜は手をかければ何年も花を咲かせる。臥竜公園も今ここでしっかり手をかけるかどうかで明暗が分かれる。また遠い将来、この桜を管理していける後継者を育成することも、もう一つの重要な課題」と話していた。

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