出荷できない果実を有効活用

2006-03-27 12:00 am by 須坂新聞

お知らせ icon すざかアグリの会(西沢えみ子会長)はこのほど、仁礼コミュニティセンターで、リンゴを使用した「果実加工講習会」を開いた。須坂はリンゴの一大生産地とあって、規格外の果実の有効活用に関心が高く、農家の女性ら約60人が参加した。
 すざかアグリの会はJA女性部、農村生活マイスターなど約10団体が情報を共有する農村女性団体連絡会議として昨年9月に発足した。今回は、出荷できなかった果実を無駄にせず消費し、さらには加工食品として販売するための知識と技術を、長野農業改良普及センター職員から学んだ。
 一般的に知られている一次加工の「シロップ漬け瓶詰め加工」は、家庭で消費するには最も優れた方法だが、販売するためには食品衛生法による瓶缶詰め製造の営業許可が必要になり、この日は、衛生的な環境での加工が可能ならば販売することができる「スパウトパウチ加工」と「ラミネートパウチ加工」で、リンゴのシロップ漬けとリンゴジャムを作った。
 シロップ漬けのおおまかな手順は、生のリンゴをラミネート容器に入れて少量のシロップをかけ、真空包装・加熱・冷却するというもの。参加者たちは「今までは出荷できなかったリンゴも家で食べきれず知人に分けたりしていたが、この方法ならもっと有効に利用できそう」と、喜ぶ声があちこちで聞かれた。
 西沢会長は「今後は地域のイベントで販売するなど、収穫物に付加価値をつけ、地元の加工品として積極的にPRしていきたい」と意欲的。同会事務局の市農林課では「新たな設備投資が不要なので、衛生的な配慮さえ欠かなければ、比較的取り組みやすいのでは」と話している。また長野農業改良普及センターによると、飯田・下伊那地方ではこうした果実の加工販売が活発という。

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