2006-03-15 12:00 am by 須坂新聞
陶磁器のこわれた部分を漆で接着し、金粉を使って仕上げる「金継ぎ」。須坂市小山町の春山光子さんは、こうした昔ながらの伝統技法を学び、自宅に金繕い・漆工房「蘇光(そこう)」を構える国内でもあまり多くない技術職人の一人だ。
春山さんは裏千家の教授三代目。平成7年に二代目の母が他界したが、傷みがあっても大切にしていた茶器が数多く残され、もう一度蘇らせて使いたい―と金継ぎを始めたという。
漆は天然の高分子化合物。ウルシオール油の中にラッカーゼ酵素があり、酸化して硬化する。金継ぎはこの漆特有の性質を利用し、温度や湿度、ほこりなどに気遣いながら、器や花びん、壺などの欠けやひび、破損部分を補修。その部分に金粉をかけ、蒔絵のように仕上げていく。
春山さんは「思い入れのある品に再び息を吹き込み、蘇らせることは大きな喜びであり、感動。器にできた新たな景色には自然と愛着がわいてきます。金継ぎは奥が深く、今でも勉強の毎日ですが、もし、大切な器や茶道具などを修復したいという方がいらしたら、お手伝いしたいと思います」と話す。嶋台の張り替え、ふき漆なども行う。問い合わせは春山さんTEL248―9558。
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