【ニュースクローズアップ】インター周辺から人を呼ぶ商連が市と意見交換

2020-04-04 07:00 am by 須坂新聞

お知らせ icon 須坂市商店会連合会(岩井隆己会長)は先ごろ、「インター周辺大規模開発」事業開始後(須坂市井上地域で3年後)を見据えて来訪者を須坂市街地に呼び込む方策について、三木市長と意見交換した。市蔵のまち観光交流センター(東横町)に役員・会員の他、市観光協会会長や市内金融機関5社の支店長ら総勢26人が出席した。市街地活性化について出席者が思いを語り、提案をした。
 事前に商連側が市に提出した7項目の質問に商業観光課が回答した。商連の役員を兼ねる「まちゼミ代表世話人」や「須坂まちの駅ネットワーク会長」がこれまでの活動を報告した。
 三木市長は市長就任以来、市街地活性化や農業、社会福祉など中長期的な課題に常に問題意識を持っているとし、市街地活性化は民間主体で取り組むことが大事だと強調した。「インター周辺開発はその地域だけを開発するのではなく、北信全体に効果が及ぶように考えている。市街地の個店が利益が上がり継続できることが基本。行政は自助、共助、公助の観点も基本にしている」とした。
 さらに「まちづくりには互いに褒め合う風土づくりが必要だ。まちをよくするために市民が自ら買い物をし、特色ある飲食店に行ってほしい」と訴えた。
 「まちゼミ」とは、専門店の人が無料で専門知識やプロのこつを教えてくれる「得する街のゼミナール」の略称。先進地の愛知県岡崎まちゼミの会から講師を招いてノウハウを身につけ、2014(平成26)年11月に初開催。6年目の今年2月に9回目を開いた。第1回は11事業所・12講座。第9回は51事業所・55講座に広がっている。延べ113事業所が参加している。
 松本恵代表世話人と宮川浩代表世話人代理は「身近な地域に講師が大勢いることが地域全体の意識を高めている。飲食店が作法を教えてくれたり、地場産の酒やみそを使っていることなどを紹介するコラボが大事だ。互いに褒め合い、いいところを見つけ出すことでまちを活性化させている。自店の強みを再認識するためにもまちゼミをより多くの人に知ってほしい。難しいのは開催を知らせる広報だ」と紹介した。
 観光協会の本藤浩史会長は「(世界的に広がる新型コロナウイルス感染症の感染者が市内に出ていない状況下の2月23日現在)自粛ではなく、飲食店活用を呼び掛ける号令をかけてほしい。事業の開始後、大型商業施設への来訪者を中心市街地に呼び込み、観光回遊してもらう方策などを具体的に話してほしい。観光協会の関わり方も示して」と要望した。
 須坂まちの駅ネットワークは発足3年目。当初19カ所。現在26カ所が参加する。
 岡村将次会長は「椅子を設置(一部)し、お茶を飲んで世間話をしてゆっくり各店内で休んでいただくことがいい。雨が降ったら傘を貸し出すサービスも一部でしている。互いに良さを発信してまちの活性化に一役買っている」と紹介した。
■年金支給日に各店感謝デーは?
 市の「まるごと博物館構想」とは、地方創生推進交付金を活用して、文化振興を図り、インター周辺開発(2023年3月末までに観光集客施設などの事業開始)により訪れる人を市内各所に循環させ、観光消費額の増加と新たな雇用を生み出すことを柱とする。
 事業名は、『まるごと博物館構想』を核とした「人」・「地域資源」で紡ぎ出すまちの元気創出事業。2011年度に策定した「市文化芸術振興ビジョン」(推進期間11年度から10年)を踏まえ、18年12月に策定した「市立博物館基本計画」を発展させる。
 市立博物館基本計画は、市内各所に点在する文化財やまちの駅などを有機的につなげ、市全域を「まるごと博物館」と捉える。構成する市立博物館▽笠鉾会館▽まゆぐら▽旧小田切家住宅▽文書館▽文化財保存活用倉庫―の博物館的機能を統合した上で、全体として「総合博物館」となるよう再構築する(機能分散型総合博物館)。
 さらに、商業活性化や健康づくり、産業振興、まちづくりの連携で1.市民の地域愛を高めて転入促進を図る 2.インター周辺来訪者の市内への流れをつくる 3.観光面の底上げを図り地域の元気創出につなげる―ことを狙う。
 事業主体となる協議会を設立し分野別に対応策を絞り込み、事業を進めていく考えだ。構成メンバーは、市、文化振興事業団、信州須坂まちの駅ネットワーク、観光協会、商工会議所、賛同企業、市民団体を挙げる。
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 意見交換会を呼び掛けた岩井商連会長は、インター周辺開発計画を踏まえ、市街地側の受け入れには時間がかかるとの認識から諸団体に出席を要請した。
 取材に会長は「まちの活性化は横の連携を密にしていくことで図りたい。インター周辺施設から人を呼ぶためには商連、まちゼミ、まちの駅、観光協会、金融団などがネットワークを組んで知恵を出し合うことが大切だ。市内を回遊する仕組みや協力体制を2年間でつくりたい。まちゼミ、まちの駅との連携を強化し、ワクワク、ドキドキ、楽しみあるまちを目指したい。各個店は常連さんを増やし、お客さんとのネットワークを一層深めることが必要だ」と思いを語った。
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 意見交換では▽個々の店が利益を出してまち全体がにぎやかになっていくことがまちの活性化の目的とするならば、まちゼミや各種誘客活動は手段で、目的となる物差しが必要だ。特色ある商品やサービスも、後継者問題も大事だ(金融機関)
 ▽インター周辺開発は千載一遇のチャンス。若い人が須坂市に住みたいと思える空室や住宅か、子育て支援が充実しているか、人口増対策はどうか。市外から人を呼び込む飲食イベントの際に交通機関とタイアップしているかなど須坂市側の受け皿が魅力的かどうかが問われる(同)
 ▽後継者問題で困っている企業に(金融機関として)伝えることもできるので事業承継の実態把握も大事にしている。年金支給日の偶数月15日は来店者が多いので各個店で感謝デー割引などを設けて足を運んでもらうこともどうか(同)
 ▽須坂で意欲的に活動するアーティストの展示スペースなどもまるごと博物館に結びつけて発信ができる(会員)▽元富士通の中にある迎賓館は歴史的建造物であり保存の必要がある(同)▽県無形民俗文化財に指定される予定の須坂祇園祭の観光面での市の対応を聞きたい(同)―との発言があった。
 三木市長は「人と人との絆が薄くなり、相談する人が少ない今、コミュニティーを維持する上でまちゼミは大事だ。大恐慌や戦争、富士通ショックを乗り越えた須坂の人には、派手さはないがたくましさがある。誰かに何かをしてもらうのではなく、自ら何とかする気持ちが大事だ。遠くの人に情報が届くSNS(会員制交流サイト)を広報に活用することも大事」と述べた。

■中心市街地―市の取り組み回答
 事前質問(7項目)のうち、中心市街地の商店街の衰退に対する市の策や進め方の質問に、市は 1.店舗併用住宅が多く、商店はやめても居住している。住んでいる人が住みやすいかが地域づくりのポイントだ 2.営々と努力される商店は、地域に必要な店で消費者とコミュニケーションが取れる地域が大事だ 3.まちゼミ、緑の一鉢運動(観光協会)、まちの駅は、商店と消費者のつながりを深くする取り組みだ
 4.市主導の、▽重要伝統的建造物群保存地区への登録に向けた取り組み▽歴史・文化・自然と教育・観光・健康増進を結びつける「まるごと博物館構想」▽臥竜公園エリアの官民連携による活性化の検討―などで市全体の活性化に取り組んでいる 5.都市計画マスタープランは中心市街地とインター周辺地区を戦略的な拠点に位置づけている
 6.中心市街地は生活利便施設や蔵の町並みをはじめとする歴史・文化、観光名所を生かして「にぎわい・交流拠点」としてのまちづくりを行う。具体的には蔵の町並み整備の推進や伝統的建造物群保存地区の指定により、訪れる人を増やす取り組みを行う。
 また、公共交通や公共施設が充実することから少子高齢社会の進展に対応するコンパクトなまちづくりを目指す「居住・暮らしの拠点」としてのまちづくりを行う。具体的には歩行者スペースの確保や交差点改良など交通安全対策、景観づくり、子育て支援センター整備などによる住む人を増やす取り組みを行う
 7.行政に頼らず、民間の力でまちづくりに取り組まねば成果は出てこない。新潟「沼垂テラス」や埼玉「みやのかわ商店街」、小布施町が好例―とした。

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