LEDでハウスブドウ品質向上へ〜創成高が地元企業と連携、照射装置作り実証実験

2019-07-27 07:00 am by 須坂新聞

学校・教育 icon 須坂創成高校創造工学科は地元企業と連携して、ブドウ栽培に役立てるための発光ダイオード(LED)の照射装置を作り、ハウス栽培のブドウ「ナガノパープル」で実証実験を始めた。8月下旬〜9月上旬ごろに見込まれる収穫までの間、青色や赤色のLEDの光を当て、着色や糖度など品質に及ぼす影響を調べる。
 工業技術を農業に生かすため、本年度からコンピューター応用機器設計・開発などの倭技術研究所(須坂市北原町)と取り組んでいる共同研究。2、3年生の有志9人(2年3人、3年6人)が参加している。
 19日は同校のブドウハウス内で生徒や同社の藤澤暁浩社長(50)らが、ブドウの着色が始まる時期に合わせて、今月中旬に設置した照射装置の状況などを確認した。
 装置は、市販の蛍光灯の傘(長さ約1.2m、幅約15cm)にテープ状のLED(電球約300個)を取り付けたもの。ブドウ棚につり下げて下側から照射し、房と葉に光を当てているのが特徴だ。
 生徒たちは4月から構想を練り始め、周囲の助言を踏まえながら装置を考案。同社が作ったサンプルを参考に、6月中旬から約1カ月をかけて青色2台、赤色1台を完成させた。
 同校によると、実証実験では、ハウスブドウに対してLED照射の有効性を示している千葉大(千葉市)の先進事例を基に、日の出前と日の入り後にそれぞれ3時間ずつ光を当てる。計3カ所に装置を設置し、未照射の部分と品質の違いを比較する。
 創造工学科3年の丸山和馬さんは、失敗と考察を繰り返して仕上げたという装置について、「一番考えたのは光の当て方。信州大の先生たちからもアドバイスをいただき、着色と糖度のことを考えて、下から実と葉っぱに当てるようにした」と説明。結果の良しあしではなく、「自分たちの成果がどういう形になるか楽しみ」と声を弾ませた。
 実証実験には、園芸農学科果樹科学コース(ブドウ班)の3年生4人も協力する。森山陽さんは「ブドウは繊細な果物。もし人工的な光で品質が変わるのであればすごい」と期待を膨らませた。
 藤澤社長は、生徒たちの前向きな姿勢を喜び「10代の頭は柔らかい。いろいろなアイデアがあった」と驚く。「(実証実験の)結果が出ることそのものが成果」と強調し、来年度以降の「発展的な研究につながっていけば」と話していた。

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