高校生が判決を下す、検察官と弁護人も体験〜須坂創成高で刑事模擬裁判

2019-06-15 07:00 am by 須坂新聞

学校・教育 icon 須坂創成高校で9日に開かれた国際ロータリー第2600地区の第26回インターアクト地区大会で、同校をはじめ県内10校のインターアクトクラブ(IAC)の生徒約170人が刑事模擬裁判を体験した。県弁護士会法教育委員会の弁護士約40人が講師となり、裁判官、検察官、弁護人の立場で被告人の有罪、無罪を評議し、判決を下した。証人尋問などでは多くの生徒がそれぞれの視点で問いただし、真実に迫った。
 模擬裁判では、被告人の女性が結婚する意思がないのに、男性から金品をだまし取ろうとしたとする架空の「詐欺罪」を設定。起訴状の朗読から始まり、罪状認否、冒頭陳述、証拠の取り調べ(物証)、証人尋問、被告人質問、論告・弁論、最終陳述、判決まで、刑事裁判の一連の流れを学んだ。
 被告人の女性が男性に金品の話をしたときに結婚の意思(詐欺の故意)があったか否か―を争点に、論告・弁論では実際に生徒たちがチームに分かれて協議。検察官、弁護人の双方の立場で主張をぶつけ合い、裁判官は証拠からどんな事実が認定できるかを考え、判決を言い渡した。
 地区大会実行委員長で須坂創成高IAC会長の加耒(かく)ほなみさん(3年)は「(裁判官として)判決を下すのは緊張したけどいい経験になった」と充実の表情。「一つの視点ではなく、いろんな方向から物事を考えていくことが大切だと感じた。普段の生活でも自分の中にある考えなどを見つめ直し、発言や行動をしていきたい」と話していた。
 IACは、ロータリークラブ(RC)が提唱する青少年のための社会奉仕クラブ。地区大会は「事実を吟味して考えよう。そして自分の意見を伝えよう」をテーマに、須坂創成高がホスト校、須坂RCがスポンサークラブとなって開いた。
 同じく地区大会実行委員長を務めた須坂RCの松本恵さんは「普段はなかなか体験できないこと。学生たちが真剣に評議してくれた」と喜んでいた。
 模擬裁判を提案した弁護士で須坂RCの山岸重幸さんは「(生徒が)参加して、自分で考え、意見を言う機会をつくりたかった。今はスマホでいろんな情報が入ってくる。何が本当で何がうそかをしっかり考えるきっかけになればいい」と話していた。
 地区大会では模擬裁判のほか、各校の活動報告などもあった。生徒やRC会員、弁護士ら総勢約300人が参加した。

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