【須坂創成高】地元企業に関心を〜創造工学科で初の技術講習

2018-12-22 07:00 am by 須坂新聞

学校・教育 icon 須坂創成高校創造工学科は本年度、学校と企業、行政が連携して生徒の実践的学習の充実を図る「デュアルシステム」の一環で、企業を講師に招いた技術指導講習会を初めて開いた。今後のデュアルシステムの改善につなげたり、地元企業に対する生徒たちの興味や関心を高めることが狙い。2年生35人が11、12月に指導を受けた。
 11月20日はメカトロニクス分野の講習で、液晶関連装置などを手掛ける中外製作所(須坂市井上町)の社員2人がシーケンス制御(決められた順序での制御)を指導した。
 生徒たちはグループごとにパソコンを使って、物をつかむなどの動作を機械に指示するためのプログラム作りに挑戦。機械につないで指示通り動くかどうかも確かめた。
 メカトロニクスコースの中山貴之(たかのぶ)さんは「学校の実習とは違うソフトを使用したけど企業の方が丁寧に教えてくれた。地元の企業がどんなことをやっているのかも知れて興味が湧いた」と話していた。
 同社設計部制御技術課の藤沢宗繁さん(26)は「プログラムや制御に少しでも興味を持ってもらえたらいい」と期待していた。
 12月18日は精密機械分野の講習で、精密板金・溶接・機械加工の伸商機工(須坂市塩野町)の宮川岳洋(たかひろ)社長(45)ら3人が精密板金加工について説明した。
 生徒たちは曲げ加工に用いる機械「プレスブレーキ」を使って、ステンレス製の板をブックエンド(本立て)の形に加工。作業体験のほか、仕事をする上でのコミュニケーションの大切さも学んだ。
 精密機械コースの三戸部有麻(とおま)さんは「曲げ加工は授業であまりやる機会がなかったので復習になった。(講習会は)普段の授業よりも専門的なことが学べる。板金の奥深さを感じた」と話していた。
 講習会では、同社に就職した同科1期生の織原蓮さん(19)も後輩たちをサポート。高校時代にデュアルシステムを通して「目標が見つかった」と言う自身の経験を踏まえながら、社会人になり「自分ができることを増やしたり、できないことが減っていくことが楽しみ」と、現在の充実ぶりを伝えた。
 宮川社長は、さまざまな製品に板金加工技術が使われていることを紹介し、「皆さんが思っている以上に板金の底力はすごい」とアピール。将来の人材を確保するためには「板金を知ってもらうことが第一。学校での講習はいいチャンス」と話していた。
 同科では、生徒たちが選択コース以外の知識や技術に触れることにより「広い視野でものづくりを考えられるようになれば」としている。

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