市文書館開館利用は10月から〜市誌編さん室6冊刊行し解散

2018-04-21 07:00 am by 須坂新聞

お知らせ icon 旧上高井郡役所(須坂市常盤町)で平成20年度から市誌編さん事業を続け、6冊を刊行した市誌編さん室が3月末で解散した。4月1日、市文書館(ぶんしょかん)が開館した。歴史資料として重要な文書等を収集・整理・保存し、今年10月からは広く一般の利用に供する。人員は根津良一館長(元市議会事務局長)と郷土史に詳しい3人の文書館専門員ら5人体制。
 市は、市誌編さんの過程で集めた古文書を整理し、これまでに42件(個人団体市蔵)の目録を『須坂市域の史料目録』(A4判)9冊にまとめ刊行した。
 現在は75、76、77件目を整理している。
 大塚尚三文書館専門員は「家庭で眠っている須坂市関連の文書・典籍・民具等があればぜひ文書館に相談してほしい」と話す。
 市文書館の開館は、土日・祝日・年末年始(休館日)を除き、午前9時〜午後5時。☎026-285-9041。
 市誌編さん事業はこれまで13人の専門員を中心に執筆が進められた。青木広安主任専門員(屋部町)は、平成20年4月から30年3月まで10年間携わった。
 13日の取材に「平成の市誌編さんは、先行書の研究を踏まえ、有識者や監修者にご指導をいただき、新たな資料を発掘して新たな記述に力点を置いた。住民が学習を深めて市民になる。先人の苦労や工夫を発見し、今後のまちづくりや地区づくりに生かしていく。その手立てとして市誌は絶対に必要だ。1年ごとに年を取ったが、それだけ利口になった」と振り返った。
 編さん事業の発展として、当初から計画してきた文書館については「個人所蔵文書の寄託・寄付などを通じて未来に活用させていただきたい。一般の閲覧や利用により資料価値が出てくるので大事な家宝を末永く保存活用していただくよう市に強くお願いした」。
 市誌編さん事業は、平成14年2月の「市史検討委員会提言」(宮川孝男会長ら委員6人)と、19年4月に設置した有識者会議(7人)での基本方針・研究体制構築などの協議を踏まえ、20年4月から編さん作業を始めた。
 執筆の基になる史料の収集は、教育委員会が平成9年に廃棄行政文書の収集を始めたことに始まる。緊急地域雇用特別交付金を活用した近代文書整理(13〜16年度)や、市誌編さん準備室(14年度)での行政文書目録の作成・歴史文書の収集整理、須高郷土史会に委託した文書整理を経て19年4月から旧上高井郡役所を拠点に史料収集・目録化を始めた。
 刊行は、自然編23年度(市川健夫氏監修)、地誌・民俗編25年度(同)、歴史編2(近世)26年度(竹内誠氏監修)、歴史編3(近現代)27年度(上條宏之氏監修)、歴史編1(原始古代中世)28年度(関孝一氏監修)、年表編29年度。

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