東京五輪を平和の花カンナで飾ろう

2017-05-27 07:00 am by 須坂新聞

お知らせ icon 真っ赤なカンナの花で次世代に平和への想いを伝える活動を展開している「カンナ・プロジェクト」代表の橘凛保(たちばな・りほ)さん(東京都)はこのほど、須坂市高梨町の国道406号沿いに日野小学校の児童約50人を含む市民ら約100人と共に球根約400株を植えた。同プロジェクトは2020年開催の東京五輪をカンナの花10万株で飾る「カンナ子ども夢プラン」の実現を目指しており、今回育てたカンナを株分けし、全国各地で育てて五輪競技会場の周辺などに植栽する予定だ。 
 橘さんは平成16年に広島平和記念館を訪れた。展示に胸を痛めたが、原爆に負けずに咲いたカンナの写真に救われた思いがした。この事実を多くの人に伝えるために同プロジェクトを立ち上げた。寒さに強い品種を探していたところ、19年に田辺花卉園の故田辺雅夫さん(須坂市仁礼町)と出会い、球根100株を譲り受けた。
 その須坂産の球根は翌20年には広島市内の小学校9校で花を咲かせ、株分けして長崎や沖縄などにリレーされた。現在国内の28都道府県162校、海外は12カ国に行き渡っている。21年5月には須坂市に戻り、須坂長野東インター入り口には広島から里帰りのカンナ街道ができた。
 今回、同プロジェクトに日野小を結び付けたのは、日野地区の企業25社でつくる梨ノ木街道管理委員会(中島賢委員長、高梨町)。
 中島委員長は昨年8月、橘さんの講演を市中央公民館で聞いて感動、「日野小でもぜひ講演を」と、上野浩校長に提案して11月に実現、プロジェクト参加につなげた。 
 同委員会は毎年、高梨町の国道406号沿いで同校児童や地元の園児らと一緒にカンナやサルビアなどを植栽している。中島委員長は「私たちの活動と通じるものがある。今回は多くの子どもたちが参加し、地元から世界平和を発信できて良かった」と喜んでいる。
 夢プランは今回植えた球根を含め、今までバトンをつないだカンナから株分けした球根をさらに増やし、競技会場周辺に持ち寄って植える計画。この日は東京近郊の13人、福島県の1人、インドから1人のカンナ大使も参加、交流を深めた。
 植栽の後、日野地域公民館で交流会を開き、日野小児童による太鼓演奏やバーベキューなどを楽しみ、最後は全員が手をつなぎ輪になって合唱した。
 参加した同小6年の松尾美優莉さん、松尾優成君は「広島に咲いた奇跡の花カンナが世界中に広がればいいと思った。素敵なプロジェクトに参加できて良かった」と喜び、上野校長は「児童たちは暑い中生き生きと作業してくれた。この体験が今後平和への強い願いにつながることを期待する」と話している。 橘さんは「原爆投下にも負けず、1カ月で爆心地近くに咲いたカンナを媒体に、お互いがお互いに想いを馳せ合うことが平和をつくると信じている。1人でも多くの人と一緒に活動し、世界中から人が集まる五輪会場で平和のシンボルを咲かせたい」と話している。

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