須坂温泉が事業賃貸へ〜経営悪化で自力を断念

2017-05-27 07:00 am by 須坂新聞

お知らせ icon 須坂市が51%余を出資する第三セクターの須坂温泉株式会社(大谷町)が、事業と施設を民間業者へ賃貸する方針であることが、このほど分かった。29日に開く株主総会で説明し、そのための定款変更などを提案する。関係者によると決議を経て、事業者を公募、決定し、本年度の早い時期から賃貸したい考え。2016年度決算で1,000万円を超える損失を計上し、3期連続の赤字となるなど経営が厳しい状況にあり、自力での立て直しは困難と判断した。
 須坂温泉は市と市民の共同出資の市民温泉として1960(昭和35)年に設立された。現在、本館と北館、南館があり、客室数35室、収容人数145人。宿泊と日帰り(入浴、宴会など)を受け入れている。
 近年は近隣に類似の温泉施設が増えたことなどから、客数、売り上げともに減少傾向にある。従業員構成が正社員4人、短時間労働者21人で、利用者ニーズへの対応や、営業強化も十分に図れずにいる。施設の老朽化も進んでいる。
 2016年度の客数は前期比83.3%の12万1,139人(入浴96,439人、宿泊13,128人、日帰り11,572人)。純売上高は前期比91.0%の1億7,596万円だった。
 赤字額は14年度853万円、15年度146万円、16年度1,476万円だった。16年度末現在の現金及び預金は前期比777万円減の348万円。流動資産961万円に対して、流動負債1,258万円となっている。
 また、金融機関からの借入金返済のため14年度に市から借り入れた2億2,600万円余の返済(毎年1,600万円余)も15年度から始まっている。
 民間業者に賃貸する場合、施設の修繕や、市への返済金などが課題となってくる。

2017-05-27 07:00 am by 須坂新聞 - 0 コメント



須坂新聞


 須坂新聞はタブロイド判(20P~24P)で毎週土曜発行(年間48回)長野県須高地域(須坂市・小布施町・高山村・長野市若穂地区)で購読をいただいております。また配達地域外でも郵送にてご購読いただけます。購読料は1100円(月額/税込)です。購読お申し込みはこちらから。