蔵の町並みキャンパス成果発表会〜学生が活性化策など提案

2015-02-14 07:00 am by 須坂新聞

学校・教育 icon 須坂市内をフィールドに学生たちが授業や研究を行う「蔵の町並みキャンパス」の成果発表会が7日、須坂駅前シルキーホールで開かれた。清泉女学院大学、長野高専、県短期大学、信州大学、東京大学、文化学園大学・東京工科大学の学生が成果を発表。若い視点や感性で市に提言なども行った。
 信州大学工学部建築学科の「街区の再生」では、旧上高井郡役所付近の歴史的市街区を対象にした再生計画を3人が発表した。それぞれ、路(みち)を中心に街を形成し、市民と観光客の交わりを生む。路地と憩いの場を複数設けることで、かつてのにぎわいを取り戻す。室内と室外や人と人とのつながりをつくり、街区に一体感を持たせるなど、町並みを段階的に意図する方向に移行させていく各自の設計案を示した。
 また、同学科の「民家の再生」では、地域ににぎわいを出すために古い家並みが残る新町の岩崎邸を自由に設計した3人が発表した。建物の一部をガラス張りにし、内側まで視線が抜けるようにした美術教室兼下宿の開設。集合住宅に地産地消を促すための直売所や料理教室を併設し、地域の人との交流につなげる。部屋の間を本棚で仕切り、もちより図書などで幅広い世代が交流できる図書館の開設など、それぞれの案を提示した。
 2年目の東京大学文学部は須坂市文化芸術振興ビジョンの活用を課題に、昨年度の「文化芸術振興ビジョンの育て方」に続き、「文化芸術振興ビジョンの咲かせ方」で発表。須坂ショッピングセンターを活用した映画祭や市民による市の政策評価会の開催、市民との同ビジョンの共有方法などを提案した。
 このほか、長野高専の学生は若者やカップル、若い世代の家族にターゲットを絞り、蔵の町並みに配慮した飲食店の設計案。県短期大学多文化コミュニケーション学科日本語日本文化専攻の学生は、市内で撮影した情景に和歌などを組み合わせて作成したポストカードを発表した。
 同事業は須坂市に歴史・産業遺産として残る蔵造りの町並み等を学生の研究や授業の場に提供し、中心市街地のにぎわいや新たな知の創出を目指す取り組み。平成18年度から企業や関係団体、教育機関、市が協議会をつくって進め、9年目。この日の発表会には学生や市民、市職員ら約170人が出席した。

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