ゲストハウス開業1年で30カ国宿泊〜市街地におもてなしも波及

2014-01-01 07:00 am by 須坂新聞

観光 icon 簡易宿泊所「ゲストハウス蔵」が須坂市本上町の伝統的町家を借りて開業2年目に入っている。経営者は山上万里奈さん(32、須坂市塩野町出身)とサミーラ・ルクマルさん(33、スリランカ出身)夫妻。宿泊客はおととし10月から1年間に30カ国から。目的はスノーモンキー(山ノ内)や夏山(戸隠、飯綱)、善光寺、松本、白馬、小布施など広域だが、地元の温泉やスキー場、美術館・博物館、飲食店、物産への波及効果もみられる。
 施設内には「スザカのお薦めノート」が備えられ、客が自由に書いていく。
 昨年夏には「フランス大使館員にそばを食べるならここへ行けと言われ、やって来た。つまみやそばは言うまでもないが、店の作り込みがすごい。店主の人となりもすてきでとても力がある。一つの店が町全体を変えることがあり、ここはそうなるかも」との声。
 また、フランス人男女が昨年3日間、カフェとパスタの店に通った。みそパスタと飾り付ける独自のパンケーキが好まれたという。
 店主の青木淳さんは「英語が通じたことでほっとされ、パンケーキの味がその人に合ったのでは」と話す。中にはベジタリアン料理の注文があり、肉や乳製品、野菜の部位など素材選びにも応じる。
 そば店主深井次夫さんは三味線演奏でもてなし、ドイツ人留学生トーニアさんはささらで伴奏参加した。「音楽に言葉は不要。身振りと心で通じるガイジンさんは身近な存在」。
 外国人は和の品に関心が高い。朝食は初体験のおやきとほうじ茶を味わう。日本酒を試飲し、みそ蔵を見、浴衣を土産に買う。笠鉾会館では法被を試着して記念撮影も。豪商の館や須坂の祭りを見学し、繭ストラップを作り、初体験の温泉でゆっくり休暇を楽しむ。
 来訪者は須坂や冬季五輪を開催した長野県をいいまちと認めてやって来ている。受け入れる当事者とともに触れ合う住民も温かなまなざしを向けるまちでありたいものだ。
 山上さんは「思った以上に人が来て、須坂の人がおもてなしをしてくれる。まちのイメージアップはゲストハウスだけではできないが、全体で旅人の満足になっている。顔と顔がつながる須坂で開業してよかった」。サミーラさんは「いろんな国の話を聞かせてもらい、旅した気分になれるのがいい」と話す。

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