須坂商業高生〜放置自転車を再生、マーケットで販売へ

2013-10-19 07:00 am by 須坂新聞

学校・教育 icon 須坂商業高校の流通ビジネスコースの3年生8人が「放置自転車」のリサイクルに取り組んでいる。同校の敷地内や須坂駅前の市営駐輪場に放置されていた自転車を譲り受けて修理し、完成した自転車は今月25〜27日に同校で開催する実習販売イベント「須商マーケット」で販売する。
 同コースでは毎年授業の一環で、須商マーケットに向けた新商品の開発など、グループごとテーマに沿った課題に取り組んでいる。8人は須商マーケットを通じて環境問題を考える中で、同校にあった放置自転車に着目、再利用できないかと動き出した。安全性に配慮して長野市の自転車店経営者に指導を依頼し、今年の1月から週2回、放課後に作業を開始した。
 自転車は全て解体し、劣化が激しく新品に交換せざるを得ない部品以外はぴかぴかに磨き上げ、ゆがみを修正したり塗料を塗り直すなどして再び組み立て、新品同様によみがえらせる。初めは慣れない作業に苦戦し、1台の修理に約2カ月を要したが、最近では効率も上がった。これまでに仕上げた10台と合わせ、須商マーケットまでに20台を完成させるのが目標。販売価格は1台7,000円〜9,000円を予定しているが、部品や塗料の購入費用を差し引くと利益はほぼないという。
 須坂市では市の条例に基づき、市営駐輪場に一定期間放置された自転車を撤去している。昨年は約100台で、こうした自転車は安全性への配慮などから通常は大部分を処分するが、今回は生徒たちが学習の一環で取り組んでいることや専門家が指導していることを考慮し、須坂署を通じて所有者から所有権放棄の確認が取れた自転車のみの引き渡しに協力することにした。
 自転車販売係長を務める宮崎勇人君(須坂市屋部町)は「今まではすぐに捨ててしまった物も、まだ使えるんじゃないかと思うようになった。物を大切に使うことや、リサイクルを身近に感じてほしい」。担当の山浦修教諭は「社会の問題に向き合い、作業を通して、生徒たちの成長が感じられたことがうれしい」と話していた。

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