須坂市防災計画〜原子力災害対策編を新設

2012-07-28 07:00 am by 須坂新聞

政治・経済 icon 須坂市防災会議(会長・三木市長、委員30人)は25日、消防本部で開き、市地域防災計画の一部修正と原子力災害対策編の新設を了承した。原発事故等による放射性物質の拡散や放射線の影響が広範囲に及び、市内で屋内退避や避難が必要になったときや恐れのあるときを想定し、基本的事項を定めた。計画にない項目は県地域防災計画に準ずる。実践的な細部計画は、県が策定する細部計画を踏まえて定める。
 同会議は災害対策基本法16条に規定する市町村防災会議。同防災計画は同法42条に規定され、昭和39年の制定以来、直近では平成10年に全部修正された。
 構成は(1)震災対策編(2)風水害等対策編(その他災害対策含む)(3)原子力災害対策編(4)水防計画―の4編。県の原子力災害対策編新設に合わせ、市は全般的な見直しを行った。
 原子力災害対策編は東日本大震災における原子力災害等を教訓に市地域で対処すべき事項を定めた。内容は(1)総則(2)災害予防計画(3)災害応急対策計画(4)災害復旧計画⑤核燃料物質等輸送事故災害への対応―の5章立て。
 基本方針として、県と防災関係機関からの情報収集、市民等への連絡体制の整備、モニタリング体制の整備、健康被害の防止、緊急時の退避・避難活動等―の対策を掲げる。
 市は市地域と住民の生命、身体、財産を保護するため、関係機関の協力を得て防災活動を実施する責任を有すると明記した。
 処理すべき事務・業務の大綱は(1)市防災会議や災害警戒本部・災害対策本部に関すること(2)放射性物質の拡散や放射線の影響に関する情報等の伝達、災害の情報収集、被害調査(3)市民等の屋内退避、避難、立ち入り制限(4)環境放射線モニタリング等(5)健康被害の防止(6)飲料水・飲食物の摂取制限(7)農林畜水産物の採取・出荷制限(8)原子力防災訓練の実施、知識の普及、広報(9)汚染物質の除去等(10)その他原子力防災に関すること―の10項目。
 市総務課によると、市役所に一番近い柏崎刈羽原発(新潟県)は89km。次は志賀原発(石川県)の148km。浜岡原発(静岡県)は226kmに立地する。
 一方、震災対策編の一部修正では、須坂市直下を震源とするマグニチュード7.2の被害想定で、防災アセスメント(平成8年6月〜9年3月実施)の想定数値を変更した。県の地震対策基礎調査(平成13年)の被害数値と比べ、小さいことから、広域大規模災害を考慮して今回大きな数値を採用した。
 木造家屋の被害想定は9,396棟(変更なし)▽鉄筋コンクリート造は180棟(旧52棟)▽鉄骨造1,098棟(旧331棟)▽軽量鉄骨造278棟(旧168棟)▽死者22人(旧10人)▽重傷者98人(旧78人)▽軽傷者1,902人(旧895人)―とした。
 三木市長は「大震災等の教訓から伝承がきちんと伝わることが大事。県と連携を図っていきたい」と述べた。

2012-07-28 07:00 am by 須坂新聞 - 0 コメント



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