須坂市消防本部 関野晃充さん〜救急現場にスマホを

2012-02-26 07:00 am by 須坂新聞

お知らせ icon 県消防長会主催の第33回県消防職員意見発表会がこのほど、中野市で開かれ、須坂市消防本部の消防士関野晃充さん(23・上八町)が、同本部からは初めてとなる最優秀賞に選ばれ、4月25日に宇都宮市で開く関東ブロック大会に県代表として出場する。
 県内の各消防本部・消防局の代表14人が日ごろの経験を踏まえ、業務に対する提言や課題などを発表。関野さんは「アプリケーションでコミュニケーション」と題して、スマートフォン(多機能携帯電話)を使った救急活動を提案した。関野さんは「緊張したが、自分の思いは伝えられたと思う。成績発表で自分の名前を呼ばれた時はびっくりして、頭が真っ白になった。前回は長野県代表が関東と全国大会で優勝しているので、プレッシャーはあるが、自分らしくがんばりたい」と話している。意見発表文は下記に掲載。

【意見発表文】
 I Dearimas MI chonic disease
 皆さん、一度は言葉が通じず、困ったことはありませんか?
 救急出動した時のことです。通信内容は「女性が胸を苦しがっている」とのことでした。私は緊急性が高いと疑い、現場へ向かいました。
 現場に到着し、家に入ると奥から英語らしき言葉が聞こえてきます。声のする方に急いで行くと、2人の外国人の女性がいました。1人はソファーで胸の辺りに手を置き、うずくまっています。私はバイタルを測定しながら、どこが苦しいのか聞き出そうとしました。が、言葉が通じずなんと言っているのかわかりません。私は、体を指差したり、ジェスチャーを使ったり、体の部位を知っている限りの英語で言ってみたりと、何とか伝えようとしました。
 しかし、伝わっている様子はありません。
もう1人の女性も必死に英語を話していますが、なんと言っているのかわかりません。唯一わかったのは「ヘルプ」という言葉だけでした。そこに、日本語が通じる外国人男性が来られ、何とか状況を聞き、病院へ搬送することができました。
 もし、あの時、その男性が来なかったら、どうなっていたでしょうか?
 搬送が遅れ、病態が悪化してしまったかもしれません。状況もわからぬまま、ただ病院へ搬送するだけでは救急隊として行った意味がないと思います。このようなことがあり、無知であった英語を少しでも覚えようとしましたが、実際外国人の話す言葉を聞き取るのはとても難しいです。また、外国語を覚えることはとても時間がかかり、すぐに対応することはできません。今救急出動して現場に言葉が通じる人がいなかったら、私は不安で仕方ありません。自分がこんな状態なら傷病者はもっと不安になるでしょう。そんな時にこそスマートフォンの機能を使うべきです。
 使い方ですが、翻訳する言語を選択して、画面に表示してあるマイクマークのボタンを押してスピーカーに向かって話すだけです。実際に、最初に言った言葉で試してみましょう。「I Dearimas MI chonic disease」。翻訳すると「私は心筋梗塞が持病であります」と、スマートフォンが話します。
 このように誰でも使うことができます。英語だけでなく、韓国語・フィリピン語・エジプト語などと50カ国以上の言語に対応できます。より正確に傷病者の状態を把握し、適切な処置を行うためにもこの機能は有効です。
 使用していく中で、アプリケーションの技術の発達が期待できると思います。例えば、翻訳機能の感度・精度が上がり、何語でも瞬時に翻訳できること。他には、スマートフォンの画面を通して救急隊と病院間が映像で繋がれば現場の状況や心電図を医師にリアルタイムで送れ、より的確な処置が現場ででき、病院も万全な体制で受け入れられると思います。さらに、病院のベッドの空き状況が把握できれば現場滞在時間が短縮し、たらい回しの防止になるのではないでしょうか。
 国際化が進む近年、外国人とのコミュニケーションをとる場面が増えてきています。この須坂にも多くの外国人観光客が訪れたり、外国人がたくさん住んでいます。外国人とのコミュニケーションをスムーズに行うためにも、傷病者を安心させるためにも、この希望に満ちたスマートフォンを使いましょう。

2012-02-26 07:00 am by 須坂新聞 - 0 コメント



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