介護施設で口腔機能が向上すると?

2011-02-20 07:00 am by 須坂新聞

お知らせ icon 高齢者総合福祉施設「須坂やすらぎの園」(大島順道総合施設長)は、平成24年度の介護報酬改訂に向けた調査研究の実施事業所に指定され、先ごろ、同意を得た通所利用者51人を対象に3カ月間のモデル事業を行った。口腔機能の向上、運動器機能の向上、栄養改善の3つのプログラムを複合的に行った場合の相乗効果を検証した。
 介護保険に新予防給付として導入された口腔機能向上サービスが、国内の通所介護事業所等で十分に提供されていない現状を受け、厚生労働省が平成22年度老人保険健康増進等事業の「予防給付及び介護給付における口腔機能向上サービスの推進に関する総合的研究事業」の一環として、国内9カ所の指定事業所で305人を対象に行った。事業受託者は東京歯科大学。
 モデル事業では、事前アセスメントで現状を把握した後、歯科医師、歯科衛生士、理学療法士らによる講話やアドバイス、体操などを継続的に行った。研究代表者の同大学市川総合病院歯科・口腔外科医師の渡辺裕さんによると、まだ集計段階だが、3つのプログラムを並行して行った結果、会話、食欲の改善などが見られ、生きることへの意欲向上などもアンケートの回答で顕著に現れているという。また、介護度が下がったり、運動器の機能が50%向上するといった結果も出ており、「単独より複合的なサービスを行うことのメリットが科学的に実証できた。現在はまだ介護の現場に専門職は少ないが、お年寄りの健やかな生活に必要な環境として、興味を持ってもらえる結果なのでは」と話している。

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