亡き長男に捧ぐ…「百名山制覇」

2010-01-31 09:00 am by 須坂新聞

趣味・生活 icon 須坂市屋部町の西田候晡さん(73、西田管業会長)は昨年9月20日、飯豊山(福島・山形・新潟県境)に登り「日本百名山」の登頂を達成した。長男の突然の死やひざの手術など、悲しみや苦難を乗り越えて、「達成した瞬間は周りを気にせず万歳、万歳だった」と喜びを表した。
 若いころ野球に明け暮れた西田さんが本格的に登山を始めたのは55歳を過ぎてから。屋部町の同年代でつくる「さわやか健康クラブ」で富山県の立山に登り興味を抱いた。その後、須坂山岳会に入会して登山を重ねるうちに、山の魅力に引き込まれていった。
 そんな矢先の2003年、長男の郁さんが37歳の若さで突然病気で亡くなった。仲間の励ましなどで悲しみを乗り越え、それ以降は郁さんの写真をリュックに入れて再び山頂を目指すようになった。
 しかし06年、今度は左ひざの故障で手術を余儀なくされた。「こんなことで負けるものか」とリハビリをしながらうまく歩けない自分を鼓舞した。ひざへの負担を減らすために10㎏の減量をし、焼岳(長野・岐阜県境)に登ったとき「百名山制覇」を自らに誓った。
 昨年10月に予定していた郁さんの七回忌を前に「何とかそれまでに達成して息子の墓前に報告したかった」と目標を達成させた。
 百名山を制覇すると同級生やクラブの仲間たちがさっそく祝賀パーティーを開いてくれた。クラブの仲間が企画した記念祝賀会には約80人が出席して盛大に祝ったという。「仲間がたくさんできたことが宝。一人では成し遂げられなかった。感謝の気持ちでいっぱい」と繰り返す。
 「山頂から景色を眺めるとすがすがしくなり、悩みや苦しみが一気に解消される」と登山の魅力を話す。「今までは百を達成しなければという気持ちが強かったので、これからは既に登った山も気楽に、見落とした景色を見に登りたい」と、山への思いは尽きない。

2010-01-31 09:00 am by 須坂新聞 - 0 コメント



須坂新聞


 須坂新聞はタブロイド判(20P~24P)で毎週土曜発行(年間48回)長野県須高地域(須坂市・小布施町・高山村・長野市若穂地区)で購読をいただいております。また配達地域外でも郵送にてご購読いただけます。購読料は1000円(月額/税込)です。購読お申し込みはこちらから。