【須坂新聞×北信タイムス×北信濃新聞/元旦号合同企画】北信州ゆうゆさんぽ①

2010-01-01 07:05 am by 須坂新聞

観光 icon そんな中、今年で4回目を迎えた須坂新聞、北信タイムス(中野市)、北信濃新聞(飯山市)の北信州3紙による合同企画は「北信州遊癒(ゆうゆ)さんぽ」。癒しを求めて記者3人が飯山市で森林浴、須坂市で 座禅、中野市の公園に山ノ内町の温泉街散策と、各地をのんびり訪ね歩いた。

◇須坂市/高山村〜喧噪離れ静かな時間を
■座 禅
 蔵の街並みが特徴の須坂市街地を抜け、静かな山中へ車を走らせる。周囲3方を森に囲まれた静かな場所に見えたのが豊楽庵。敷地内の龍遊窟へ、庵主の高津慧親・ドロテーさん(56)が私たちを迎えてくれた。
 ドロテーさんはドイツ・カッセル市出身。大学時代に日本文化を学びに日本へ留学し、卒業後に仏教徒の日本人男性と結婚した。仏門へ入り、2004年、築80年の農家を改築して臨済宗の庵を開いた。「学んだ仏教の教えを日常生活でどう生かすか」を探求しているという。
 さっそく座禅を体験した。姿勢を正す。ゆっくりとした呼吸を意識し、静かに目を閉じると、暗い視界に自分の心の中が見えてきた気がした。
 最初は余計な事ばかりが頭に浮かび、無心とは難しいものだと痛感する。考えれば考えるほど、無心からは遠く離れてしまう。それでも時間が経つにつれ、徐々に心の中が安らいでくるのを感じた。
 「自分を知り、足りない部分のやり直しを繰り返します。すると今度は他人に目を配ることができます。自分の気づかない部分に気がつき、さらに周りに気がつくことが大切」とドロテーさん。長いような短いような30分だったが爽快感が漂った。
 座禅後、お茶を振る舞ってもらった。これも、座禅会参加者の楽しみの一つだ。待つ時間、お茶を入れる動作の音だけが、静かに屋内に響く。
 待ち時間は退屈と思うかもしれないし、座禅をしている間を長いと感じるかもしれない。しかし普段、いかに慌ただしく生活しているのかとも思えた。ちょっとした待ち時間にイライラ。遊びに行くときでさえ、目的地へ急いでいる。
 「忙しい現代社会、ゆっくりした時間を過ごせるのはぜいたくなことかもしれませんね」。その通りだと、ドロテーさんの言葉に素直にうなずいた。
 街の喧騒を抜け出して静かな山中を訪れ、座禅をきっかけにこれまでの生活を振り返ることができた。反省ばかりの自分の暮らしに「振り返っては、やり直す」ことを不器用ながらも続けたいと思う。外国出身のドロテーさんが説く和の心が、なんとも新鮮に心に響いた。
■雷 滝
 紅葉の名所として知られる松川渓谷に雷滝を見に行った。
 駐車場から石の階段を下ると轟音がどんどん大きくなり、目の前に頭上から落ちる見事な瀑布が現れた。
 迫力ある轟音と、頭上からはるか下方へ落ちる様は圧巻だ。「裏見の滝」とも言い、裏側からも見られるという新鮮な視点がさらに興奮をかき立てた。気がつけば服が随分ぬれてしまったが、それもまた良し。流れ落ちる様子を何度も何度も見上げては見下ろし、飽きることなく目がくぎ付けになってしまった。
(北信タイムス・苅和武史記者)
▽豊楽庵・龍遊窟 ☎026-246-9014
▽高山村観光協会 ☎026-245-1100

2010-01-01 07:05 am by 須坂新聞 - 0 コメント



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